フィリピンおよびインドネシア多島海より採取されたサンゴ骨格コア試料中の化学成分を分析することで、各地域の海洋環境の変動を詳細に復元した。酸素同位体比およびストロンチウム・カルシウム比から、塩分と海水温の2つを復元し、炭素同位体比とウラン・カルシウム比からは人為起源二酸化炭素の影響について評価した。その結果、西太平洋域では1976年以降に人為起源温暖化の影響を強く受けて、夏季の温暖化が顕著であることを明らかにした。一方で、インドネシア多島海における温暖化の影響はより複雑で、多島海内の場所によってもその反応が様々であることが分かった。
|