研究課題/領域番号 |
20K12136
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 教授 (80343375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エアロゾル / 界面活性剤 / 光化学反応 |
研究実績の概要 |
本研究では,大気エアロゾルに含まれる有機物が浮遊している間に太陽光を受け,光化学反応によって酸化・分解反応を起こす過程で,親水基と疎水基の両方の官能基を持つ界面活性剤が生成されるのか,を探究する。その際,実際の環境で浴びる太陽光と同程度の光強度によって,界面活性剤濃度がどの程度変化するのか,定量的に求め,時間に対する変化量を明らかにする。本研究の問いは,今後,①大気へ放出される燃焼起源の有機化合物が増加し,大気エアロゾル中で界面活性剤が増加するのか,②表面張力が下がり吸湿性が高まることで,雲形成や雨の降り方に影響するのか,気象現象に対する新たな理解へ繋がる問いである。 本研究では,実際の大気エアロゾルを用いた界面活性剤の分析および光化学反応による界面活性剤の生成・分解を定量的に明らかにすることを主な目的とする。また,市販の有機物(例えば,フミン酸やフルボ酸などのフミン物質)を用いた光照射実験を行い,より詳細な反応メカニズムおよび時間に対する変化量を明らかにする。 《令和2年度の研究計画》 1.琉球大学で大気エアロゾルを継続的に採取し,界面活性剤(陽イオン性および陰イオン性界面活性剤)の濃度を計測する。その際,季節変化や風向による影響を調べる。 2.琉球大学で採取した大気エアロゾルの中で,既に主陽イオンや主陰イオン,DOC濃度等の分析実験が完了している項目と界面活性剤濃度との相関を調べ,越境汚染による影響を調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気エアロゾルのサンプリングは、計画通り実施できている。また、エアロゾル中の界面活性剤の濃度測定についても、測定方法を確立し、実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、光化学反応による界面活性剤の濃度変化を調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響で学会発表等の参加・出張に行くことができなかったことと、4月から5月にかけ、緊急事態宣言の下、大学での活動が制限されたため。 今後の使用計画としては、昨年度実施できなかった化学分析を勢力的に進めるための試薬や器具類の購入、さらに、学会発表も新型コロナの状況をみながら、積極的に実施するための参加費・旅費として支出する予定である。
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