大気エアロゾル中の界面活性剤は、エアロゾル粒子の吸湿性に影響を与えうる部分的な親水性によって、水溶液の表面張力を低下させ空気中の水分を取り込み、雲の形成を容易にする。台風時についても影響が示唆されるものの、その過酷な気象条件によりサンプリングが難しく、エアロゾルの量や性状についてのデータは少なく、台風の勢力との関係も未解明のままである。そこで、本研究では、沖縄島に位置する琉球大学にて通常時と台風時のエアロゾルのサンプリングを実施し、主に水溶性有機炭素と陰イオン性界面活性剤に着目し、その化学的特徴を明らかにすることを目的とした。
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