本研究は将来予測されている温暖化や窒素沈着などの環境変化に対する土壌応答について着目したものである。日本を代表する土壌の一つである黒ボク土を用いた実験では、土壌のみに対し温暖化や窒素沈着の影響を与えた場合に比べ植物の影響も加味するとより多くの二酸化炭素が発生することが明らかとなった。また、微生物によって分解されにくい炭素が多い黒ボク土ではそうでない土壌に比べ上記のような反応性が高いことが明らかとなった。これらの結果は将来予測されている土壌からの二酸化炭素放出量が実際はより多くなる可能性を示すものであり、また、これらの反応は土壌タイプによって異なることを示唆するものである。
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