研究課題/領域番号 |
20K12139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
Hotes Stefan 中央大学, 理工学部, 教授 (20401185)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | vegetation / alternat. stable states / disturbance / volcanism / resilience |
研究成果の概要 |
湿原植生が火山活動による攪乱を受けた時、どのように応答するか、中期的な動態については野外実験、短期的な動態については室内実験実験において解明した。野外実験では、火山灰降下による攪乱を再現する実験処理を与えた後、5年または8年経ったところ、同様の処理におけるヤチヤナギの対照的な反応が確認され、代替安定状況が発達したが、20年後はヤチヤナギの被度が下がり、代替安定状況が長期的に維持されないことが明かになった。一方、室内実験においては、火山灰堆積と酸性雨による影響を調べた。強酸性(pH2)の降水のみを与えたら、ミズゴケの成長妨げられたが、酸性(pH4)の降水や火山灰を与えた場合、回復が早かった。
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自由記述の分野 |
Landscape ecology
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
活火山が広く分布する日本において、火山灰降下や火山性酸性雨が生態系に及ぼす影響を解明することは、基礎科学だけでなく、防災・減災の観点からも重要である。本研究では、降下火山灰や火山性酸性雨の湿原植生への影響を野外実験と室内実験において解明した。広域的に堆積する数センチ程度の火山灰による植生の変化は、数年で元に戻ることが確認できた。火山が排出するガスによって、酸性雨が発生することがあるが、ミズゴケへの悪影響は、自然界でめったに起きない強酸性の場合に限って確認された。広域に降下する火山灰の影響が一時的で、種組成や種の被度の変化による遷移が起こり得るが、元の状態が回復することが予想される。
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