研究課題/領域番号 |
20K12146
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
楊 偉 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教 (80725044)
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研究分担者 |
小林 秀樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), グループリーダー代理 (10392961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 森林フェノロジー / モデル / 相互作用 / リモートセンシング / 現地観測 |
研究実績の概要 |
1). 現地・衛星データの収集と解析。本年度は引き続き米国のPhenoCamサイト及び日本のPENサイトの定点カメラデータをダウンロード・整理し、サイト・年ごとにフェノロジーメトリクスを算出し、衛星プロダクトの検証データベースを構築した。研究対象地におけるMODIS, Sentinel-2, GCOM-C衛星データのほか、高解像度のPlanetScopeデータの収集・解析を行った。 2). フェロノジー推定アルゴリズムの高度化。今年度は、開発した相対閾値アルゴリズムに基づき、最大合成法と平滑化フィルタ法が植生フェノロジー抽出の精度に与える影響を大規模シミュレーション実験によって定量化し、異なる雲量条件下での最適なアルゴリズムパラメータを提案した。本研究で提供された5°×5°の小領域ごとのMVCと平滑化フィルタの最適なパラメータは、今後の衛星VI時系列からのフェノロジー検出の精度向上に役立つと思われる。 3).植生フェノロジーの相互作用の解明。今年度は、1982年から2015年までの期間に衛星から得られた成長期の開始日と終了日(SOSとEOS)を用いて、北緯25度以北において、EOSと翌年のSOSの関連性を調べた。温帯の生態系において、SOSは前年のEOSと弱い負の部分相関を示し、遅れたEOSが進んだSOSにはあまり寄与しない。さらに、温帯地域ではEOSの変化がその後の冷涼日数(Chilling Days)の変化にほとんど寄与していないこと、北方地域では強制気温の合計値が冷涼日数に弱い関係が示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、最大合成手法と平滑化フィルタリング手法に基づき、植生フェロノジーアルゴリズムのさらなる最適化を行った。 また、植生とフェノロジーの相互作用も検証された。 これをもとに学術論文を掲載し、関連学会で発表した。 来年度は、植生フェノロジーの予測モデルの開発を進め、さらに学術論文を発表していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、現地調査や文献調査により検証データベースの構築を実施する。そして、機械学習アルゴリズムなどを活用し、高空間解像度でフェノロジー推定精度を更に向上することを試みる。また、植生フェノロジーの相互作用を定量化し、森林フェロノジー予測モデルの高度化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
生じた理由:今年度で得られた研究成果を来年度に学術論文として発表する予定であるため。
使用計画:次年度使用予定額は、英文校閲料と論文掲載料として支払う予定。
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