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2021 年度 実施状況報告書

液滴濃縮/全量導入法と分離担体を駆使した水質汚染物質の高感度一斉分析法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K12153
研究機関富山高等専門学校

研究代表者

間中 淳  富山高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (90413757)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード高倍率濃縮
研究実績の概要

本研究課題では液滴濃縮法と分離担体(TLC)を融合させた高感度な重金属類の一斉分析法の構築を行う。薄層クロマトグラフィー等に代表される機能性分離担体を用いる分離法は、複数の物質を分離して同時に検出することが可能であるが、使用する試料量が少なく、また、材料表面の変色を検出することから分析感度が低い課題が残されている。一方、液滴濃縮法は短時間で試料中の重金属類を微小な液滴に濃縮することが可能であり、試料中に含まれる重金属類の全量を担体に導入することが可能となる。そのため、液滴濃縮法と機能性分離材料を融合することで、超高感度重金属類の一斉分析が可能となる。
昨年度、濃縮による感度の上昇がみられたもののTLC上での測定において著しい感度の低下により、環境基準値レベルの濃度の測定が困難であった。今年度はより高感度化を目指し、種々の条件を検討したところ、それでもなお十分な感度を得ることができなかった。そのため、固相抽出との組合せによる濃縮倍率の増大を検討した所、TLC上において低濃度レベルでも十分な発色を呈する条件を見出せつつある。今後は、固相抽出も含めた最適条件の探索と複数項目の分離分析を検討する。また、重金属類以外では、マイクロプラスチックの高効率な濃縮も可能であることを見出した。さらに、有機溶媒でなく天然物質を用いた類似の分離濃縮法を見出し、金ナノ粒子の高効率な濃縮法を構築することもできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進捗状況は着々と進んでいるが、初年度から続くコロナウイルスの影響のため、スタートが半年近く遅れての実験の開始が影響しており、当初の予定よりどうしても遅れていることが否めない。

今後の研究の推進方策

重金属類の分離分析に関しては、環境基準値レベルの濃度の検出感度を得るための固相抽出と均一液液抽出を組合わせた手法による最適な実験条件の探索を検討する。加えて、TLC上での同時分析のためのTLC分析条件の最適化を検討する。
また、昨年度までの研究の過程で見出したマイクロプラスチックの濃縮分離法における詳細の検討や有機溶媒を使用しない濃縮分離法における応用も検討する。
また、コロナウイルスの影響で滞っていた学会発表の機会も少しづつ戻りつつあるため、得られた成果における情報発信に関しても検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの影響で学会等の発表旅費や参加登録費などの支払の機会が激減し、当初予定していた予算執行予定の大幅な変更を余儀なくされたためである。しかしながら、次年度はオンサイト開催を予定している学会が増えてきており、少しずつ状況は好転しているようであるため、今回発生した余剰分は次年度以降の発表旅費等へ補填したいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Simple and high sensitivity colorimetric analysis of cadmium using homogeneous liquid liquid extraction2021

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Manaka,Yumemi Ueno, Masamoto Tafu, Takeshi Kato
    • 雑誌名

      Analytical Science

      巻: 38 ページ: 223-226

    • DOI

      10.2116/analsci.21N029

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Evaluation of concentration method for gold nanoparticles using pH responsiveness of casein2021

    • 著者名/発表者名
      Honoka Asao, Atsushi Manaka, Yoshitaka Takagai, Taichi Nakagawa
    • 学会等名
      RSC Tokyo International Conference 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] アルギン酸イオンのpH応答性を用いるアミン化合物の高倍率濃縮法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      武内香都,間中淳,羽切正
    • 学会等名
      第7回関東磐越地区科学技術フォーラム
  • [学会発表] 3成分均一液液抽出法を用いるマイクロプラスチックの高感度検出法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      澤田真歩、柴田慶之、間中淳
    • 学会等名
      21回高山フォーラム
  • [産業財産権] 次亜塩素酸濃度測定装置、次亜塩素酸濃度測定プログラム及び次亜塩素酸濃度測定方法2021

    • 発明者名
      武内義弥、間中淳、袋布昌幹、柴田慶之
    • 権利者名
      武内義弥、間中淳、袋布昌幹、柴田慶之
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-095870(2021年6月)

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公開日: 2022-12-28  

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