本研究では、水蒸気の連続観測を可能とするGNSS衛星(衛星測位システム)を用いた新たな水蒸気トモグラフィー手法の開発を実施した。これまでのGNSS水蒸気のトモグラフィー手法よりも比較的少ないGNSS観測点のみで解析できるように改良を実施した。GNSSの水蒸気トモグラフィー解析は、電波の経路と通過時間(水蒸気による遅延量)の逆問題を表す連立方程式解くが、逆解析で用いる境界条件(重み付け)について、主に改良を実施した。先行研究でもよく使われている重み付けの簡便な関数は、特定の高度にバイアスが大きく出現するが、今回開発した重み付けモデルは、これよりも高精度で推定できた。
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