研究課題/領域番号 |
20K12173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福本 学 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 客員主管研究員 (60156809)
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研究分担者 |
大野 剛 学習院大学, 理学部, 教授 (40452007)
山本 直樹 藤田医科大学, バイオリソース室, 教授 (00267957)
鈴木 正敏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (60515823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 福島第一原子力発電所事故 / 野生ニホンザル / 臓器アーカイブ / 甲状腺 / 白内障 / 精巣 / 放射線影響 / 放射線防護 |
研究成果の概要 |
有害獣として福島第一原発周辺地域で殺処分された野生ニホンザル(被災サル)の解剖を行い、内部・外部被ばく両方の線量・線量率評価を伴った臓器アーカイブを構築し、国内外の研究者に提供した。アーカイブを用いて特に放射線感受性で問題となっている臓器である、甲状腺、水晶体と精巣について精査した。甲状腺では、被ばく線量と無関係に増殖性変化が観察された。放射線の影響を否定できない白内障性の変化を認めた。精子形成のステージ分類を行ったが、対照群に比較して有意な所見は得られなかった。今後も継続して、霊長類である被災サルの病理学的解析からヒトの低線量率長期放射線被ばくの影響と防護への直接的な貢献を目指す。
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自由記述の分野 |
放射線病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
福島第一原発事故を契機として、原子力災害は起こり得るものであり、この事故による人体や環境影響について大きな関心が寄せられている。原子力災害では、発散して移動する放射性物質による外部に加えて内部被ばくが問題となる。しかし、人体では直接、放射性物質の体内挙動や臓器の被ばく量や影響を知ることはできない。福島第一原発周辺で人類に最も近縁の動物種である野生ニホンザルは、事故後、継続的に放射性物質から外部・内部の複合被ばくをしており、有害駆逐獣として行政的に頭数制限が行われている。本研究による捕獲されたサル臓器のアーカイブ構築と影響解析は、直接人体影響に反映され、将来の防護戦略の構築に役立つ。
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