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2020 年度 実施状況報告書

放射線誘発B細胞リンパ腫の発がんメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K12176
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

臺野 和広  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線影響研究部, 研究統括(定常) (90543299)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード放射線 / B細胞リンパ腫 / ゲノム
研究実績の概要

放射線被ばくにより急性リンパ性白血病のリスクが上昇することが報告されているが、自然発症と放射線被ばくによるがんを区別できないため、被ばくによる正確なリスクは不明である。本研究では、放射線被ばくにより誘発されるマウスB細胞リンパ腫のゲノム解析で明らかになった特徴的な遺伝子異常を分子指標に、被ばくに起因するB細胞リンパ腫の特徴及び、放射線被ばく後の変異細胞の動態や骨髄環境の変化を経時的に解析し、被ばくによるB細胞リンパ腫発症に関わるメカニズムの全容を明らかにする。得られる結果は、放射線によるリンパ性腫瘍の発がんリスク評価の信頼性向上に活用できる。
今年度は、放射線被ばくにより誘発されるマウスB細胞リンパ腫について、ゲノム異常の全体像を明らかにするため、B細胞リンパ腫からゲノムDNAを抽出し、次世代シーケンス解析により、非照射群及び、照射群に発生したB細胞リンパ腫のゲノム異常の網羅的解析を開始した。また、放射線被ばく後の変異細胞の動態や骨髄環境の変化を明らかにするため、若齢期(7週齢)のマウスに放射線(γ線、4 Gy)を照射し、照射後初期からB細胞リンパ腫の発症が見られる時期(50週齢)まで、経時的な解剖を行い、複数の固体から血漿と骨髄・リンパ組織の採取を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

B細胞リンパ腫からゲノムDNAを抽出し、次世代シーケンス解析により、非照射群及び、照射群に発生したB細胞リンパ腫のゲノム異常の網羅的解析を開始するとともに、放射線を照射したマウスから経時的な血漿と骨髄・リンパ組織の採取を開始できたことから、次年度に行う研究に向け順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は、非照射群及び、照射群に発生したB細胞リンパ腫のゲノム異常の比較解析を行い、放射線被ばくにより誘発されるB細胞リンパ腫の特徴を明らかにする。また、放射線を照射したマウスから経時的に採取した血漿と骨髄・リンパ組織を用いて、次世代シーケンス解析から明らかになったゲノム異常の検出を行い、いつ、B細胞系のどの細胞において、各ゲノム異常を持った変異細胞が生じるのか、さらには、変異細胞集団がどのように増加していくのかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

実験を効率的に進める上で、実験の一部を次年度にまとめて行うことにしたため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Characteristics and carcinogenic mechanisms of radiation-induced B-cell lymphoma in mice2020

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Tachibana, Kazuhiro Daino, Takamitsu Morioka, Atsuko Ishikawa, Yi Shang, Mari Ogawa, Misuzu Fujita, Akira Matsuura, Yoshiya Shimada, Shizuko Kakinuma
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第63回大会
  • [学会発表] Molecular mechanisms involved in radiation-induced mouse B-cell lymphoma2020

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Tachibana, Kazuhiro Daino, Takamitsu Morioka, Atsuko Ishikawa, Yi Shang, Yoshiya Shimada, Shizuko Kakinuma
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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