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2020 年度 実施状況報告書

葉酸代謝拮抗剤メトトレキサートのラット新生児期曝露が小脳の発達に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K12187
研究機関岡山理科大学

研究代表者

杉山 晶彦  岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (00432609)

研究分担者 野原 正勝  岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (70649996)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードメトトレキサート / ラット新生児 / 小脳外顆粒細胞 / アポトーシス / 細胞周期チェックポイント / 細胞周期停止 / DNA二重鎖切断
研究実績の概要

(1) 葉酸代謝拮抗剤メトトレキサート (MTX)の曝露を受けた6日齢の新生児ラットの小脳外顆粒細胞におけるアポトーシス促進性因子 Bax、Bak、 Bad、Bid、Bim、Fas、Fas-ligandの発現状況を、免疫組織化学法およびリアルタイムPCR法を用いて解析した。MTX曝露後24時間において、Bax、BidおよびFasの有意な発現増大が認められたことから、MTX曝露によって誘発された小脳外顆粒細胞のアポトーシスの誘導には、内部経路 (ミトコンドリア経路)および外部経路 (Fas経路)の双方が関与している可能性が示唆された。
(2) MTXの曝露を受けた6日齢の新生児ラットの小脳外顆粒細胞におけるCyclin dependent kinase (CDK)阻害因子p15、p16、p18、p19、p27、p57の発現状況を、免疫組織化学法およびリアルタイムPCR法を用いて解析した。MTX曝露後24時間において、p19およびp27の有意な発現増大が認められた。以上の結果より、MTX曝露を受けた小脳外顆粒細胞の細胞増殖抑制およびアポトーシス誘導において、細胞周期チェックポイントを介した細胞周期停止が関与している可能性が示唆された。
(3) MTX曝露新生児ラットの小脳外顆粒細胞における、DNA二重鎖切断の鋭敏なマーカーであるγH2AXの発現状況を免疫組織化学法を用いて解析した。その結果、MTX曝露後12、24、36、48、60時間における小脳外顆粒細胞ではγH2AXの発現は認められなかった。以上の結果より、少なくともMTX曝露後12~60時間においては、DNA二重鎖切断は惹起されていない可能性が高いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度において実施することを予定していたほとんどの実験に取り組むことができた。免疫組織化学法およびリアルタイムPCR法による解析に時間がかかってしまい、ウェスタンブロット法を用いた解析に取り組むことができなかったが、次年度以降に実施する予定である。

今後の研究の推進方策

今後は、葉酸代謝拮抗剤メトトレキサート(MTX)の曝露を受けた新生児ラットの小脳外顆粒細胞のアポトーシス発現および細胞増殖抑制におけるp53発現の関与を解明するための解析 (免疫組織化学法、ウェスタンブロット法、リアルタイムPCR法)、MTX曝露新生児ラットの小脳外顆粒細胞のアポトーシス発現における酸化損傷の関与を解明するための解析 (免疫組織化学法、ウェスタンブロット法、リアルタイムPCR法 、比色定量法)、MTX曝露が新生児ラットの小脳プルキンエ細胞樹状突起の発達へ及ぼす影響を解明するための解析 (ゴルジ-コックス染色法および抗Calbindin抗体を用いた免疫組織化学法)に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

今年度は当初予定していたウェスタンブロット法による解析に取り組むことができなかったために次年度使用額が生じた。今年度実施できなかったウェスタンブロット法による解析は次年度に実施する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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