研究課題
基盤研究(C)
赤土等流出による生物影響や対策の効果を調べるため、赤土等流出の影響のある地点と影響のない地点で、海中発音生物テッポウエビ類の1分間当たりの発音数(パルス数)を3年間定期的に観測した。その結果、赤土等流出の影響のない地点では、夏期の水温上昇に伴いパルス数は増加したが、赤土等の影響のある地点ではパルス数の増加が観測されなかった。これよりパルス数の観測を行えば赤土等流出による生物影響を簡易に測定できる可能性を示すことができた。
土木工学、環境工学
沖縄県赤土等防止流出防止対策基本計画の調査結果概要では、海域の評価は赤土等堆積状況からの実施が基本であり、調査頻度の少なさから生物生息状況の評価は補足的な位置づけとなると指摘している。本研究では、測定困難な海中の生物の生息状況や活性度を、生物の発する音を利用して測定する手法を用いることにより、赤土等流出が生物の生息状況に及ぼす影響を検出することができた。本研究の成果を用いれれば、生物への悪影響のみならず環境保全対策の効果や沿岸開発事業を評価することができるようになる。