研究実績の概要 |
カビ臭を産生するプセウドアナベナ属の3種5分類群(P. yagii, P. foetida v. foetida, P. foetida v. subfoetida, P. foetida v. intermedia, P. cinerea)の9株について、全ゲノム解析を行った。現在、解析中であるが、ほとんどの株について、完全長のアセンブルに成功した。ゲノムサイズは、4.7-5.5MBであった。また、最大200kbのPlasmidを0-4個存在した。2-MIB gene clusterの解析などについては、今後引き続いて実施予定である。 同様にカビ臭を産生する2019に申請者らが新種記載したMicrocoleus pseudautumnalisなど、Microcoleusおよび関連属の3分類群についても全ゲノム解析を行った。これらについても、アセンブルの途中であり、解析は今年度行う。 関連してMicrocystin毒を産生するAnnamia dubiaを霞ヶ浦から新種記載した。本種はプセウドアナベナ属に極めて類似しているが、チラコイド膜の配列が異なり、遺伝子を用いた系統樹でも明確に異なるクレードに出現する。また、関連属と科の分類学的な混乱を整理し、新科 Geminocystaceaeを提案した。 分類学的な混乱を避けるため、カビ臭を産生しないプセウドアナベナ属についても分類学的な検討を引き続いて行った。欧米から記載された種の多くが簡単な図しか残されていないため、比較が困難で手間取っている。
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