研究課題/領域番号 |
20K12203
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
竹下 潤一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60574390)
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研究分担者 |
鈴木 知道 東京理科大学, 創域理工学部経営システム工学科, 教授 (50251369)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 毒性予測 / インシリコ手法 / 動物実験代替法 / 化審法 / REACH / 統計的測定精度評価 / 順序尺度 / 用量反応関係 |
研究実績の概要 |
本研究では研究期間を通じて統計的アプローチによる毒性予測に関する研究及び,毒性評価・予測に資するスクリーニング試験方法の統計的測定精度評価に関する研究を行った. また,本研究課題のベースである確率・統計理論についても研究を行った. (1) 毒性予測手法の研究では,まず公開データよりラット反復投与毒性試験データベースを構築した.それを網羅的に解析することで,高頻度で認められる毒性所見,重篤な毒性所見,各毒性試験を特徴づける頻度の高い所見等を明らかにした.さらに,日本の化審法と欧州REACH登録物質の毒性を比較し登録物質の毒性の違いを解析した.また,構築したデータベースを学習用データとして,機械学習や実験計画法の方法論を応用することで,特定の毒性を発現するあるいは発現しない化学物質の構造的特徴を明らかにした.特に,アリニンの関連化合物に対する貧血予測モデルを構築した.(2) 統計的測定精度評価に関する研究では,複数の既存統計解析手法を取り上げ,用量反応関係と順序尺度の測定方法それぞれについて,それら既存手法の測定精度評価への適用可能性を人工データ及び実データを解析することで調査した.順序尺度に関しては,位置を表すパラメータとばらつきを表すパラメータの両方をもつ順序多項分布の表現方法も提案し,順序尺度に対して平均値の差の検定と等分散性の検定に対応する統計検定方法をそれぞれ提案した.また,通常の連続尺度の測定方法については,測定精度指標の理論的な推定方法とリサンプリングを応用した推定方法をそれぞれ複数取り上げ,シミュレーションベースでそれら推定方法による推定値を比較することで各推定方法の特徴を考察した.
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