研究課題/領域番号 |
20K12217
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
田中 靖浩 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50377587)
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研究分担者 |
遠山 忠 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60431392)
森 一博 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90294040)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ウキクサ / 微生物群集 / 植生浄化 |
研究実績の概要 |
これまでに本研究代表者らは、水生植物のウキクサ亜科植物根にこの植物から分離した有害化学物質分解菌および植物生育促進微生物(PGPB)を再導入することで、高い水質浄化能を持ちつつ、エネルギー資源生産をも担う高機能植生浄化システムを開発してきたが、現行のシステムでは、実排水など複合微生物存在下での導入微生物の定着性の維持・向上が課題となっていた。そこで本研究では、当該水生植物根への付着・定着性が高い微生物種を検索し、その中から各種分解菌やPGPBを取得・利用することにより上記の問題点をクリアした新しい浄化システムの開発につなげることを目的としている。 2020年度の検討項目は、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物種の検索と取得であった。河川水や活性汚泥など、種々の環境試料を無菌のウキクサ亜科植物(ウキクサ)に付着させ、一定期間共培養を行った後、各植物の根に付着した微生物群集を解析することにより、目的とする微生物種の候補としてComamonadaceae科細菌、Methylophilaceae科細菌、Opitutaceae科細菌等を見出した。さらに、これらの細菌群に属する菌株として合わせて100株以上の分離培養に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のように、本年度は“ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物”の検索と取得が検討項目であったが、候補微生物種(科レベル)を見出すとともに、一部ではあるが、当該微生物種に属する菌株の取得もできている。したがって、現在の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在の進捗状況は「おおむね順調に進捗している」と判断できることから、今後の研究推進方策としては、基本的には当初の予定通りとする。すなわち、取得した微生物菌株からのPGPBや各種分解菌の検索を進める。また、その一方でスクリーニング対象微生物菌株を拡充すべく、ウキクサ亜科植物からの微生物分離についても引き続き実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で実験を実施できない期間が生じたため、一部の実験(微生物分離実験の一部)について、2021年度に実施することとした。そのため、当該実験のための消耗品費相当額が「次年度使用額」として生じている。なお、上述の微生物実験については、2020年度、2021年度の2年間にわたって実施する予定であることから、この「次年度使用額」については、全額2021年度中に使用する予定である。
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