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2022 年度 実績報告書

触媒促進水熱酸化による難分解性汚染物質処理技術の高度化と学理の追求

研究課題

研究課題/領域番号 20K12223
研究機関大阪公立大学

研究代表者

米谷 紀嗣  大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80295683)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード水熱酸化 / 触媒 / 1,4-ジオキサン / Cu / Ni / Rh / Mo
研究実績の概要

昨年度までの研究で高い触媒作用を示すことが明らかとなったCu-Ni、Cu-Mo、Cu-Rhの各2元系触媒について、XPS、窒素吸着法、TEM、およびエネルギー分散型X線分光法(EDS)による触媒の分析を行うことで、触媒作用向上メカニズムの解明を試みた。
まず、各触媒を用いて1,4-ジオキサン(DO)の水熱酸化分解を行ったところ、3,4-ジクロロフェノールの場合と同様、いずれの触媒もCu単元触媒より高い触媒作用を示すことを確認した。次に使用前触媒のXPS分析の結果から、Cu-Ni触媒のCu還元種の割合はCu触媒よりも高く、一方でCu-MoとCu-Rh触媒はCu触媒と同様の酸化状態であることが分かった。また、EDSの結果よりCu-MoとCu-Rh触媒ではCu、MoおよびRhが触媒上で均一に分布することが確認され、一方でCu触媒やCu-Ni触媒ではCu種の凝集が確認された。
使用後触媒のXPSの結果から、Cu-Ni、Cu-Mo、およびCu-Rh触媒はCu触媒よりもCu還元種の割合が高いことが分かった。窒素吸着法による表面構造評価では、Cu-MoとCu-Rh触媒が他の触媒に比べて高い比表面積を維持したことが分かった。
最後に、各触媒を用いてDOの水熱酸化処理を行った時のTOC除去率と各使用後触媒のCu還元種の割合の関係について検討したところ、両者の間に相関関係があることが分かった。Cu-Ni触媒は触媒合成時にCu還元種の割合が高くなったことにより、分解反応中も高いCu還元種の割合を維持したと考えられる。一方、Cu-MoとCu-Rh触媒は触媒合成時にはCu触媒と同様の酸化状態であったが、200℃、10 MPaの反応条件下でCu触媒ほどCu還元種割合の低下が起こらなかったと考えられる。この理由として、EDSの分布からも、CuとMoおよびRhとの間での電子移動が起こった可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 有機汚染物質の触媒促進水熱酸化分解に関する速度論的解析2023

    • 著者名/発表者名
      石橋 柚佳、米谷 紀嗣
    • 学会等名
      日本化学会第103春季年会
  • [学会発表] SYPRO Orangeの蛍光を利用したタンパク質圧力変性の分析2023

    • 著者名/発表者名
      岡崎 佑亮、米谷 紀嗣
    • 学会等名
      日本化学会第103春季年会
  • [学会発表] Cu-Ni, Cu-Mo, Cu-Rh/Al2O3触媒を使用した触媒促進水熱酸化法による1,4-ジオキサンの高効率分解2022

    • 著者名/発表者名
      古賀 陸朗、米谷 紀嗣
    • 学会等名
      第12回CSJ化学フェスタ2022
  • [学会発表] ダイヤモンドアンビルセルを用いた高圧力下での増粘多糖類のゲル化メカニズムのその場観察2022

    • 著者名/発表者名
      飯塚 修平、米谷 紀嗣
    • 学会等名
      第63回高圧討論会
  • [学会発表] 難分解性有機物質の水熱酸化分解に用いるCu-Ni二元系触媒の開発2022

    • 著者名/発表者名
      小林 有輝、米谷 紀嗣
    • 学会等名
      第63回高圧討論会
  • [図書] 高圧力の科学・技術事典2022

    • 著者名/発表者名
      日本高圧力学会(監修)
    • 総ページ数
      500
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-10297-0

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公開日: 2023-12-25  

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