研究課題/領域番号 |
20K12233
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
橘 熊野 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60504024)
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研究分担者 |
粕谷 健一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60301751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生分解性高分子 / 外部刺激応答性 / 超分子化学 / 酸化還元 / ソルトブリッジ |
研究実績の概要 |
本研究課題の最終目標は「使用中は汎用プラスチック代替耐久材料として利用でき、環境流出時に即座に分解が開始される生分解性高分子が実現可能かを明らか にする」ことである。そこで、易生分解性高分子に複数の刺激応答性開裂ユニット導入し、多様な環境での選択的生分解性発現を実現することで、多刺激応答型 生分解性高分子を創成する。当初計画として、2020年度は「複数の開裂ユニットの開発」と「開裂ユニットによる生分解性高分子の架橋」を、2021年度は「架橋生分解性高分子の分解性評価」を掲げていたていた。 しかしながら、コロナ禍により、2020年度の研究に遅れが生じたため、2021年度には前年度に実施予定の内容を引き続き検討した。 1, 刺激応答性開裂ユニットの開発:ジシルフィド結合の分解性の詳細を評価した。その結果、フィルム分解においては、アモルファス部位から選択的に還元されていことを見出しており、分解速度制御のための基礎的知見を得た。また、新たな還元応答ユニットとしてアゾ結合や、塩応答ユニットしてグアニジンソルトブリッジの開発にも成功した。いずれも、海洋環境での分解が可能であるとの知見を実験室レベルで得た。 2. 易生分解性高分子に架橋構造を形成させることでの使用中の生分解性発現抑制:易生分解性ユニットとして、低分子量のポリエステルが利用可能であることを見出した。易生分解性ユニットを刺激応答性開裂ユニットで連結することで、当初の目標のである外部刺激による開裂とその後の生分解が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の新型コロナの感染対策の入構制限で研究が遅れていたが、2021年度に半年分ぐらいの遅れは取り戻した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度も新型コロナの感染対策で断続的な入構規制が行われており、当初計画の方法で実施することが困難である。 刺激応答性開裂ユニットの種類を絞って研究を遂行する予定にしている。
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