研究課題/領域番号 |
20K12243
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
武田 克彦 関東学院大学, 理工学部, 准教授 (90386871)
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研究分担者 |
佐野 慶一郎 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (30372105)
香西 博明 関東学院大学, 理工学部, 教授 (00272089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プラスチック廃棄物 / サーマルリサイクル / 天然ガスと混焼 / DDFエンジン / LCA / 廃棄電線の被覆高分子材料 / マテリアルリサイクル |
研究実績の概要 |
2022年度の実施状況は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの影響のため病院との連携が取れずに、医療系廃棄物に着手することはできませんでした。しかしながら、代替として一般廃棄物のプラスチックを用いて、以下のような成果をあげることができました。 2022年度は、廃プラスチックのサーマルリサイクルの研究と、廃棄電線から分離した被覆高分子材料のマテリアルリサイクルに注力しました。今年度は計画通りに、昨年度に実施した天然ガスと混焼させるDDF(Diesel Dual Fuel)エンジンの再現性を確認し、一般的なディーゼルエンジンよりも高効率な結果が得られることを確認しました。昨年度の結果と同様に、天然ガスの当量比と廃プラスチック分解油の当量比に、高効率と低エミッションの両立が得られる条件を確認することができました。 また、2022年度は、廃棄される電線に着目し、被覆高分子材料のマテリアルリサイクルにも着手しました。再成型後の機械的性質を明らかにするために試験片を製作し、その際の温度と圧力にパラメータを振って、強度への影響を調査しました。引張試験と硬度(ショアD)試験を実施し、再成型後の硬度はバージン材に近い結果が得られましたが、引張強さが著しく下がっており、改善すべき点が明らかになりました。さらに、廃プラスチック分解油のLCA(Life Cycle Assessment)評価を継続しました。その結果、より詳細な二酸化炭素の排出量を求めることができ、廃プラスチック分解油を用いる利点が明確になりました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの影響のため病院との連携が難しくなり、医療系廃棄物に着手することが困難であったため、不充分な内容であったといえます。しかしながら、一般廃棄物のプラスチックから代用して順調に進められたため、出来る限りの成果は収められたものと考えております。一方、2022年度の研究では、廃棄電線に着目し、被覆高分子材料のマテリアルリサイクルにも着手できたため、くわえて、LCA評価を継続して当初の研究計画よりも進展できたため、おおむね順調に進展しているものと考えられます。前述の研究実績の概要に記載した通り、研究計画の通りにDDFエンジンの再現性確認も順調に進み、さらに被覆高分子材料のマテリアルリサイクルやDDFエンジンのLCA評価を加えることができたため、本研究はおおむね順調に進展していると考えております。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は、2022年度に着手したマテリアルリサイクルに注力したいと考えております。被覆高分子材料のマテリアルリサイクルでは大きな課題が明確になったため継続していくことと、自動車の樹脂部品に着目し、ABSのマテリアルリサイクルなどにも着手したいと考えております。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、国際会議のための海外出張や学会出張などが中止になったため、次年度使用額が生じました。次年度の使用計画は、旅費と人件費・謝金に使用する予定です。
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