里地里山のような人間と自然が相互作用で作り出す社会生態システムでは、近年、先進国を中心に人口減少の影響で管理放棄が進行し、放棄地が拡大している(アンダーユース問題)。本研究では身近な自然の管理放棄地において、生態系が持つ環境改善機能を生かした省力的な生態系管理を行うことで、生態系保全だけが目的でない21世紀型の里山システムを創出することが可能であることを示す実証的なデータを得た。 昆明-モントリオール生物多様性枠組で合意された世界的目標であるネイチャーポジティブの具体的な達成手法として荒廃地の自然再生技術が注目を浴びる中、本成果は技術化には未だ途上にはあるもののその可能性を開くことができた。
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