8枚翼の垂直軸型風車の空力性能向上を目指した研究であって、実験に数値計算を併用して調査した結果、基本形である直線8枚翼風車では風車内部に流れ込む噴流(増速した流れ)が回転力に寄与していること、ならびにその噴流は逆方向への回転力を発生する翼が生成していることを突き止めた。風車の翼材に柔らかい帆布を用いて変形能を有した翼として、その形状を調整することで流れの制御を図り、風車性能は20%程度増加することを確認した。これと同時に本風車の仕様に起因して2次元数値流体計算が実験値を尤もらしく再現できない点の解決について検討、算術的な後処理で対応できることを見出したことで、性能の予測手法に目途をつけた。
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