局所的な地下水流動が地中熱利用に与える影響についての研究や調査例は殆どない。地下水流動についての主な国内の研究は、建築・土木分野における広域での地下水の履歴などを対象とした数km規模であり、地中熱交換器の性能に影響を与える伝熱学の視点からの数m規模の例は少ない。本研究で実験的に浅部での雨と地下水の影響を、数値シミュレーションでは水平設置の角度の影響を明らかにしたことにより、地下水流動の影響を考慮した長期的な地中熱交換器の性能変化および周囲の土壌温度に与える影響の予測へとつながる。今後地中熱利用の普及が期待される東南アジアは日本と同じく地下水が流れやすい地層であるため、将来的に展開が期待される。
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