研究課題/領域番号 |
20K12280
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ダイバーシティ・マネジメント / ウェルビーイング / 創造性 / ソーシャル・キャピタル / 心理的安全性 |
研究実績の概要 |
本研究は、農業・食料システムにおける社会的企業のイノベーションの創出メカニズムとその影響を明らかにすることを目的として、研究を進めている。今年度に進めた研究は大きく2点に分けることができる。 第1に、日本では働く人々のウェルビーイングが諸外国と比べて低いことを踏まえて、ダイバーシティ・マネジメント(DM:Diversity Management)によるウェルビーイング向上が社会的課題の解決のための組織革新(社会的イノベーション)であると捉えて、分析を行った。具体的には、農業者と非農業者に対する大規模なWebアンケート調査結果に、主成分分析と共分散構造分析を適用し、職場におけるダイバーシティ・マネジメントの取り組みが働く人々のウェルビーイングに与える影響を分析した。その結果、職場におけるDMの導入は、働く人々の心理的安全性、創造性、ソーシャル・キャピタル(SC:Social Capital)の向上を通じて、働く人々のウェルビーイング(仕事と生活に対する満足度)を高めていることが明らかになった。また、農業者と非農業者のサンプル別の分析を行い、DMの導入がウェルビーイングを高める影響プロセスについて、比較分析を進めた。 第2に、フードシステムにおける社会的企業のイノベーション創出事例として、共有価値創造に取り組む米粉関連事業者のアンケート調査結果の定量的分析を行った。また、関連の深いテーマとして、農業法人における共有価値創造の分析、都市農業における社会的起業家精神の発展過程の事例分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は予想通り生み出されている。
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今後の研究の推進方策 |
①農業と非農業におけるダイバーシティ・マネジメントに関する定量的データの解析をさらに進める。 ②農業におけるダイバーシティ・マネジメントの事例分析を進める。 ④研究成果の積極的な発信(日本語・英語)を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、予定していた国際学会への参加を新型コロナの感染拡大防止のために見送ったためである。農業・食料システムにおいて社会的課題解決に取り組む事業主体やステークホルダーに対するアンケート調査や現地調査及び成果発表・発信のために使用する予定である。
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