研究課題/領域番号 |
20K12285
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
嶋田 大作 龍谷大学, 農学部, 准教授 (40527876)
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研究分担者 |
竹内 亮 福岡女子大学, 国際文理学部, 講師 (90823063)
白石 智宙 立教大学, 経済学部, 助教 (40907896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コモンズ / 入会 / 自然資源 / 地域資源 / 過少利用 / 半自然草原 / 阿蘇 |
研究実績の概要 |
本研究における研究課題の核心をなす学術的「問い」は、コモンズを取り巻くどのような要因が、自然資源の過少利用に影響を与えているのか、である。この問いに対して、日本とノルウェーでのフィールドワークを通じてデータを収取し、国際比較を通じて明らかにすることが申請時の計画であった。 しかしながら、COVID-19の世界的流行によって、研究期間の初年度である2020年度から、海外でフィールドワークをすることは難しい状況となった。当初の研究計画通りに研究を進めることは不可能であり、研究計画の修正を余儀なくされた。 そこで、国内でのフィールドワークを重点的に実施することとした。これは、国内のコモンズの過少利用問題について精力的に調査を行っている竹内亮氏(福岡女子大学国際文理学部環境科学科)および白石智宙(立教大学経済学部会計ファイナンス学科:2023年度より広島修道大学人間環境学部)との共同研究に発展した。さらに、2022年度からは、両氏が研究分担者として本研究へ参画することにつながり、阿蘇地域での重点的な共同調査を実施している。 阿蘇地域での事例研究については、特に以下の2つの研究を実施してきた。一つ目は、有畜農家がいなくなった集落において、牧野組合における草地管理活動が継続される要因は何かについて、牧野組合会計の分析に基づいた研究である。二つ目は、阿蘇草原再生協議会の機能に関する研究で、入会牧野組合と外部の組織の連携について事例分析を行った研究である。これらの研究は、1件が学会誌に投稿中であり、もう1件が投稿準備の最終段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
阿蘇地域で集中的に実施してきた事例研究は、竹内亮氏(福岡女子大学国際文理学部環境科学科)および白石智宙(立教大学経済学部会計ファイナンス学科:2023年度より広島修道大学人間環境学部)との共同研究に発展した。これは、中長期的視点で見た場合に、この研究課題の遂行に深みと広がりをもたらすことが期待できる。従って、当初の研究計画に対して変更が生じていることについては、前向きな側面もあることを申し添えたい。 阿蘇地域での事例研究については、特に以下の2つの研究を実施してきた。一つ目は、有畜農家がいなくなった集落において、牧野組合における草地管理活動が継続される要因は何かについて、牧野組合会計の分析に基づいた研究である。二つ目は、阿蘇草原再生協議会の機能に関する研究で、入会牧野組合と外部の組織の連携について事例分析を行った研究である。これらの研究は、1件が学会誌に投稿中であり、もう1件が投稿準備の最終段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
国内でのフィールドワークを引き続き充実させていく予定である。これに関しては、竹内亮氏(福岡女子大学国際文理学部環境科学科)および白石智宙(立教大学経済学部会計ファイナンス学科2023年度より広島修道大学人間環境学部)に、2022年度から新たに研究分担者として参画して頂くことで、体制を整えている。特に阿蘇地域での上記の研究を進める中で、新たな事例や現地との協力関係の構築が進んでいる。今後、こうした部分を発展させる形で、最終年度の研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、COVID-19の世界的流行によって、2020年度以降は国内外で予定していたフィールドワークは延期もしくは大幅に形を変えて実施せざるを得なかった。そのため、本研究計画で主要な予算費目となっていたフィールドワークに関する予算の執行は、2020年度、および、2021年度は次年度以降へと繰り越すこととなった。また、フィールドワークを実施するための機材の購入も次年度以降へと繰り越すことなった。さらに、当初予定していた国際会議や国内での学会発表も延期もしくはオンライン開催となったため、こちらの予算も繰り越すこととなった。このような状況が2020年度、2021年度と続いた。 2022年度からは、竹内亮氏(福岡女子大学国際文理学部環境科学科)および白石智宙(立教大学経済学部会計ファイナンス学科:2023年度からは広島修道大学人間環境学部)の研究分担者としての参画を得て、国内でのフィールドワークを充実させる体制を整えているが、2020年度と2021年度に累積した繰越額が次年度使用額を生むことにつながっている。2023年度は、国内フィールドワークを中心に現地調査を加速させる予定である。
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