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2020 年度 実施状況報告書

化学物質のリスク比較と費用効果分析に資する用量反応曲線の導出

研究課題

研究課題/領域番号 20K12294
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

小野 恭子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90356733)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード化学物質 / リスク評価 / 費用対効果分析
研究実績の概要

2020年度は文献収集を行った。まず、Guidance Document on Evaluating and Expressing Uncertainty in Hazard Characterizationのレビューを実施し、国内外の類似研究事例について取りまとめた(Crettaz et al. 2002; Pennington et al. 2002; 伊藤 2016; 北本ら 2020、等)。これらの研究は、従来毒性学の分野では多く用いられてきた閾値ありの用量反応関係の導出手法を発展させ、化学物質同士のリスク比較や優先順位付けを可能とする手法の適用を試みていた。
さらにいくつかの化学物質で、不確実性係数(ヒトの場合、実験動物との差;10、ヒトにおける個人差;10。生態影響の場合、室内実験から野外への外挿;10、など)がどのような対象を守っていることになるのかを化学物質ごとに整理した文献をレビューした(Renwick et al.;1998; Hattis et al. 2001, 2006, 2007他)。次に、閾値のある物質でも低い用量での影響を統計的に算出する「ベンチマークドーズ法」について、公表されているマニュアルをレビューし、統計的手法によりもたらされる不確実性幅の大きさを、いくつかのケーススタディで確認した(対象物質:デオキシニバレノール、1,2ジクロロエタン等)。鉛の有害性、および曝露濃度との関連を論じている論文を収集し精査中である。体内動態メカニズムと個人差の関係が説明できるパラメータの抽出を試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染拡大の影響で、当初予定していたスタッフの雇用が予定通りいかず、文献収集と整理を研究者自ら行わざるを得なかったため、解析につながる基礎データの整備が遅れた。外部人材への委託も検討したが、当初予定になかったため、業者等の選定に時間がかかり、年度内は上手くいかなかった。

今後の研究の推進方策

文献収集を継続し、いくつかの化学物質で、不確実性係数(ヒトの場合、実験動物との差;10、ヒトにおける個人差;10。生態影響の場合、室内実験から野外への外挿;10、など)がどのような対象を守っていることになるのかを整理する。次に、閾値のある物質でも低い用量での影響を統計的に算出する「ベンチマークドーズ法」について、統計的手法によりもたらされる不確実性幅の大きさを、いくつかのケーススタディで確認する(対象物質:デオキシニバレノール等)。同時に、鉛に関して、判断に用いる有害影響(エンドポイント)を文献より精査し、体内動態メカニズムと個人差の関係を整理する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大の影響で、当初予定していたスタッフの雇用が予定通りいかなかった。外部人材への委託も検討したが、当初予定になかったため、業者等の選定に時間がかかり、年度内は上手くいかなかった。これらの理由により、人件費に残余が生じた。

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公開日: 2021-12-27  

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