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2022 年度 実施状況報告書

化学物質のリスク比較と費用効果分析に資する用量反応曲線の導出

研究課題

研究課題/領域番号 20K12294
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

小野 恭子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90356733)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード用量反応関係 / 鉛 / リスク評価
研究実績の概要

リスク比較に資する用量反応関係の導出、および用量反応関係を用いて日本におけるリスク評価実施について研究を進めた。
今年度は化学物質影響の指標として相対リスクを用い、用量と相対リスクについて用量反応曲線の導出を行うものとした。具体的には、成人の鉛リスク評価について、エンドポイントを循環器症状(死亡)として行った。背景としては、小児のIQをエンドポイントとした場合の鉛の影響評価は比較的多く実施され、日本でもリスクが評価されているものの、成人については評価が殆ど行われていないことが挙げられる。なお既往研究、WHOのGlobal Burden of Disease Studyにおいても骨中鉛濃度、収縮期血圧上昇、循環器症状による損失余命を算出している。
今年度は鉛を対象物質として血中鉛濃度あるいは骨中鉛濃度と循環器症状および症状に起因する死亡に関連する学術文献約50報を詳細にレビューし、コホート研究から確認した相対リスク、オッズ比、ハザード比を用いて、循環器症状(死亡)をエンドポイントとし、損失余命を指標とした日本人成人のリスク評価をすることとした。
さらに、鉛の暴露濃度について文献調査を行った。経口摂取量調査では、中央値(GM)5.61 μg/person/day、GSD=1.84(Hayashi et al. 2019)、マーケットバスケット方式による全国10か所の平均、11.8 μg/person/day(鈴木、厚生労働省調査2020)という報告がされていた。これらを参考に、ばらつきを考慮して日本人の男女別摂取量を設定することとした。追加的に、生体試料(血液、尿)における鉛濃度データも収集し、血中鉛濃度と摂取量を紐づけた研究についてもレビューしたのち、本研究に適用できるかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染拡大の影響で、当初予定していたスタッフの雇用が予定通りいかず、文献収集と整理を研究者自ら行わざるを得なかったため、解析につながる基礎データの整備が遅れた。

今後の研究の推進方策

日本における鉛の経口暴露量とそのばらつきを利用し、低用量暴露における日本人集団のリスク評価を、損失余命を指標にして実施し、他のリスクと比較する枠組みについての示唆を得る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大の影響で、当初予定していたスタッフの雇用が予定通りいかなかった。外部人材への委託に切り替えたものの、依頼する内容を絞り込んだため金額が当初予定より縮小した。これらの理由により、人件費に残余が生じた。

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公開日: 2023-12-25  

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