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2022 年度 実施状況報告書

気候変動適応を実現するための果樹栽培の環境要因に関するデータ分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K12297
研究機関山梨大学

研究代表者

島崎 洋一  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30313787)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード環境情報 / 果樹栽培 / 持続可能発展 / 地理情報システム / データサイエンス
研究実績の概要

本研究では、気候変動適応の観点から、果樹特産地域における環境要因の特徴を定量的に明らかにすることを目的とする。従来、地理情報システムを用いて、山梨県および長野県における地目区分と土壌大群のオーバーレイ解析を試みた。
当該年度では、山梨県中北地域(甲府市・韮崎市・南アルプス市・北杜市・甲斐市・中央市・昭和町)を対象にした。航空写真および農地区画単位を参照することにより、9種類(ブドウ・モモ・サクランボ・カキ・リンゴ・田・畑・その他・転用地)の栽培を識別した。地理情報システムを用いて、対象地域における栽培面積と土壌面積のオーバーレイ解析を適用して、果樹栽培と土壌(土壌分類・土性区分)の関連性を解析した。さらに、不定形な農地のポリゴンデータを定形のメッシュデータに分割するプログラムを作成して、土壌以外の環境要因について栽培別の加重平均値を算出した。
解析の結果、対象地域における5つの果樹栽培の面積割合は15.1%である。果樹全体の土壌大群の割合は、黒ボク土が9.5%、低地土が53.1%、褐色森林土が35.2%である。ブドウやカキが褐色森林土、モモとサクランボが低地土、リンゴが黒ボク土の割合がそれぞれ最も高いことがわかった。地域全体の土性区分の割合と比較して、ブドウは表層および下層において強粘質の割合が高いことがわかった。また、モモは壌質の割合が高いことがわかった。平均傾斜角度の加重平均値は、地域全体が3.8度に対して、サクランボが1.6度、ブドウが2.9度、モモが3.0度、カキが3.7度、リンゴが4.8度であり、果樹栽培別に違いが見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的1(果樹栽培と土壌のオーバーレイ解析により関連性を定量的に明示)の達成に向けて、山梨県中北地域(甲府市・韮崎市・南アルプス市・北杜市・甲斐市・中央市・昭和町)における果樹栽培と土壌(土壌分類・土性区分)のオーバーレイ解析を実施した。
目的2(環境要因と果樹栽培の統計解析により栽培適地の環境条件を提示)の達成に向けて、地目区分の面積を約1平方kmのグリッド単位に分配する数値プログラムに基づき、山梨県中北地域における9種類の栽培について、6種類の環境要因(年平均気温・年降水量・平均標高・平均傾斜角度・人口総数・事業所数)に関する加重平均値を算出した。
目的3(果樹特産地域の現地調査により果樹の栽培適地の環境条件を検証)の達成に向けて、山梨県果樹試験場、長野県果樹試験場、農研機構果樹茶業研究部門(安芸津ブドウ・カキ研究拠点)を訪問した。

今後の研究の推進方策

研究方法については、地理情報システムおよび数値プログラムの検証を積み重ねることにより、確立できた状態である。今後は果樹特産地域の現地調査や関連学会の成果発表に注力する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により、2年間、果樹特産地域の現地調査や関連学会の成果発表などの旅費を全く執行することができなかった。当該年度から現地調査や成果発表が可能になってきたことを踏まえて、当初の目的を達成できるように努力する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 気候変動適応を踏まえた果樹栽培と土壌のオーバーレイ解析2023

    • 著者名/発表者名
      島崎 洋一
    • 雑誌名

      環境科学会誌

      巻: 36 ページ: 42-52

    • DOI

      10.11353/sesj.36.42

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 果樹作付と土性区分のオーバレイ解析2022

    • 著者名/発表者名
      島崎 洋一
    • 学会等名
      環境科学会2022年会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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