令和3年度も、令和2年度に引き続きコロナ感染症の拡大のため海外渡航制限がかかり、本研究の主要な内容であるフィリピン農村での現地調査を遂行することができなかった。そのため、国内、特に鹿児島県内の離島や山間部に居住し労働するフィリピン人の実態調査を行った。離島は、鹿児島県の喜界島をフィールドとした。山間部は、鹿児島県の大隅地方をフィールドとしたその結果、山間部の調査においては以下の2点が明らかになった。フィリピン人技能実習生が本国の制度によって守られており、受入れ企業からも法律遵守の面、労働の質の面で高く評価されていることがわかった。また、フィリピン人の定住者が、フィリピンの食文化や商慣行に基づいたユニークなビジネスを行っていることが明らかになった。離島の調査においては、フィリピン人定住者が、長期に居住することによっって、島民に受け入れられ、そのことが職探し、職の高度化につながっていおることを明らかにした。研究成果は、大学の紀要(経済学論集)への投稿や日本島嶼学会の全国大会での報告という形で行った。
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