研究課題/領域番号 |
20K12325
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
城川 美佳 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (10177785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 結核対策 / 在日外国人 / 入国希望者 / ヘルスリテラシー |
研究実績の概要 |
ネパール在住の研究協力者と研究計画を作成し、当該国における研究倫理審査機関(Nepal Health Research Council: NHRC)から承認を受けた。現在、ネパールにおける結核罹患のリスクに関するデータ収集を行っている。当該国では生活習慣病の有病者も増加傾向にあり、結核罹患との関連を検討するものである。 日本におけるネパール人の結核罹患と予防策、および日本における治療等の対策に関連したヘルスリテラシーに関する調査研究は、対象者の選定と調査票の作成を行った。この研究の実施により、結核高蔓延国の1つであるネパールから来日して中長期滞在しているネパール人が、出身国とは異なる結核対策を行っている日本で生活するにあたっての結核に関するヘルスリテラシーの程度と、情報ニーズ、より効果的な情報媒体について検討することができる。 在ネパール日本大使館は、次年度(令和5年度)より日本入国希望者(ビザ取得希望者)を対象に結核の入国前検査を実施することを検討している。このことを受け、入国前検査の受検者を対象に日本における結核対策についてのレクチャーの実施とそれによる知識取得に関する調査を実施することとなり、研究計画の作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響により、海外出張に対する制限が本務校から課せられ、調査対象国であるネパールでの研究に遅れが生じた。また、当該国に居住する研究協力者が新型コロナウイルス感染症に罹患したことも、研究の実施に影響した。 国内においては、調査研究の実施に際して対象者との接触を控えたことが、研究の遅れにつながった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年に入り、新型コロナウイルス感染症パンデミックは世界的にも終息の兆しが見えている。渡航制限や国内移動における制限も緩和されてきており、今後は調査研究を進められると考える。しかしながら、昨今の円安傾向に伴い、ネパールでの調査研究に用いる研究費が高騰したため、全体の研究を縮小する必要があると考えている。 また、渡航制限の緩和に伴い、研究対象であるネパール人の日本入国に際しての結核入国前検査の実施が具体化したため、入国前検査受検者を対象としたレクチャーの実施とそれによるリテラシーの定着を検討することが可能となった。 なお、海外での研究実施を行うに際しての送金費用が高騰しており、研究費運用に影響すると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症パンデミックによる行動制限により、研究対象国と日本での研究実施が遅れた。当該国における研究協力者が新型コロナウイルス感染症に罹患したことも研究の実施が遅れた理由の1つである。なお研究は、パンデミックの終息の兆しに伴う行動制限の緩和により開始している。 次年度は、①当該国における研究2件(生活習慣病による結核罹患リスクに関する研究、日本移入希望者を対象とした日本の結核対策に関する対面教育とその効果)、②日本に滞在している外国ルーツ者の結核予防リテラシーに関する研究、を並行し実施する予定としている。
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