研究課題/領域番号 |
20K12331
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 教授 (80247113)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | マレーシア / 市民社会 / NGOs/市民団体 / ジェンダー / 政策決定過程/プロセス / 公共圏 |
研究実績の概要 |
本研究課題は「マレーシアにおけるジェンダー・政策・市民社会:新たな公共圏の創成と市民社会の役割」として、マレーシアにおけるジェンダーをめぐる議論を中心として、ジェンダーに関わる政策と政策決定プロセスにおける市民社会の役割を調査・分析することを目的としている。 2022年度は、2020年度から2023年度にかけて実施する本研究課題の3年度目として、本来であれば、研究課題の方法論の研究と分析枠組みについての検討のうえで、現地調査を進め、調査結果の考察を進める予定であり、研究計画の後期として位置づけられるはずであった。しかしながら、COVID-19(新型コロナ感染症)の影響で現地調査はできず、マレーシアのジェンダーやNGOs/市民団体、ジェンダー政策に関する文献資料・データの分析を中心に進める形となった。 そして、ユルゲン・ハーバーマス(Jurgen Habermas)をはじめとする「公共圏」の議論と熟議の議論に関する検討を進めるとともに、マレーシアの政治体制や現在の与党・野党との関係、議会での議論、そして従来の市民団体の議論と政府や官庁に対するロビー活動などについて、公共圏としての空間が形成・確保されているか、そうした条件の確保はどういったことが基本となるのか、といった問題について検討し、さらには、マレーシアにおけるジェンダー問題と市民社会の役割について、文献・資料の分析を進めていった。 このように、本研究課題の後期である2022年度は、COVID-19の状況から(2020年度および2021年度同様に)依然として海外調査の実施は難しく、研究の進捗に大きな支障が生じている。本研究については、2023年度に現地調査を進めるとともに、計画の延長を要請する方針である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の初年度の2020年度以降、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の世界的なパンデミックの状況とその対応によって、海外調査の見通しが立たず、また大学でのCOVID-19対応の業務なども含めて、研究に十分に当たれる状況ではなかった。 とくに本研究課題は、現地調査の実施を前提として計画していたため、全体の研究計画は大幅な変更を余儀なくされ、2023年度は現地調査の実施と同時に、今後の研究予定と予算の使い方など、再検討する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初に予定していた現地でのヒアリング調査など、COVID-19のために延期していた海外調査など、実際の実施の可能性などについて再検討し、具体的な計画を立てていく。2023年度については海外調査も可能と見込まれるため、現地の状況をチェックしながら、具体的に研究を進めていきたい。 また本研究課題では、当初から現地調査のための予算を立てていたため、可能であれば、本計画課題の実施期間の延期を希望したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、初年度2020年度から現地調査を計画していたが、COVID-19の世界的なパンデミックの影響もあり、海外調査が全面的に中止となり、大学での業務も激増し、計画していた研究の実施に大きな支障が生じたため、支出が計画的に行うことができなかった。 2023年度は、海外調査も実施可能と見込まれるため、2020-2022年度で延期した研究計画について、当該課題の研究年度においてどういった形で研究を進めるか、研究計画の再検討を行う。 2020年度以降、COVID-19のために科研費プロジェクトの補助事業期間の延長も配慮されており、本研究課題においてもプロジェクト期間の延期・延長を申請する予定である。
|