研究課題/領域番号 |
20K12336
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
尹 慧瑛 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70376838)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アイリッシュ・ボーダー / 在英アイリッシュ / 北アイルランド / ユニオニズム / ブレグジット / ブリティッシュネス / アイリッシュネス |
研究実績の概要 |
本研究は、変わりゆくブリテン島とアイルランド島の関係性を、ブレグジットにおいて焦点化されることになった「アイリッシュ・ボーダー」「在英アイリッシュ」「和平合意後の北アイルランドにおけるユニオニズム」の3つの研究軸にもとづいて、あらたに捉え直すことを目的としている。2021年度は、①基本文献の収集・分析、②最新の研究成果をフォローアップするための学会や研究会、ワークショップへの参加、③資料館での一次資料の収集、④ブリテンおよび南北アイルランドでの聞き取り・フィールドワークを予定していたものの、前年度に引き続き、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大と入国・出国規制により海外渡航が制限されたため、大幅な計画の変更を余儀なくされた。そこで、前年度に着手した資料のアーカイヴ化を継続するとともに、イギリス・アイルランドの研究者や研究機関との交流を通じて、それぞれの研究軸における個別のテーマを以下の通り検討していった。まず「アイリッシュ・ボーダー」「和平合意後の機体アイルランドおけるユニオニズム」については、北アイルランド成立から100年という節目の年に奇しくも国境問題の「解決」の策として取り決められた「北アイルランド議定書」をめぐって緊張が高まっている状況をふまえ、ブレグジットを通じて北アイルランドという「場」がどのように転換しつつあるのかについての最新の分析を試みた。その成果は研究論文として刊行済みである。次に「在英アイリッシュ」については、戦後イギリスで最大のエスニック・マイノリティでありながら「白人の一体性」という神話の下で見えなくされてきた歴史的背景をたどるとともに、その「可視化(visualization)」の過程を幾つかの契機においてあぶりだすことを試みた。この成果も研究論文として近日中に公開予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、フィールドワーク・資料収集・学会参加などを目的とした海外渡航を夏と秋に予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により渡航が制限されたため、前年度と同様に国内で可能な研究活動に切り替えることとなった。3つの研究軸のすべてにまたがる形で論文を執筆することができたため、研究を次のステージに進めることができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後しばらくは従来のような海外調査ができない状況を想定して、研究計画の見直しが必要であると考えているが、「在英アイリッシュ」にかんしてはデジタル・アーカイヴを利用いた資料収集にもとづいて、具体的な対象(場所・時代・出来事)を絞った研究にシフトしていくことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も、フィールドワーク・資料収集・学会参加などを目的とした海外渡航を夏と秋に予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により渡航が制限されたため、国内で可能な研究活動に切り替えることとなった。2022年度に渡航が可能であれば、前年度に予定していた滞在期間を延長、または渡航回数を増やすなどして、執行に努めることとする。海外渡航がかなわない場合は、オンラインによる研究交流・資料収集・インタビューなどの方法をあらたに模索するとともに、共同ワークショップなどを計画し、それに係る諸経費としての執行に切り替えることとする。
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