研究課題/領域番号 |
20K12343
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮地 隆廣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ラテンアメリカ / 先住民 / SDGs / オルタナティブな開発 / FILAC |
研究実績の概要 |
研究計画によれば、2020年度は分析対象となる国際組織 (FILAC) などで海外での文書調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大により、それが全く進められなくなってしまった。これに伴い、来年度以後の現地調査の準備として、ラテンアメリカ各国政府の先住民関連機関や、先住民運動組織が何を開発目標としているかに関する議論の整理を行った。
この作業の中で、これらの組織がSDGs作成にあたり先住民性を盛り込むことを働きかけたことや、SDGs発表後にその目標に合わせて自らの主張をカテゴライズしている動向も明らかになった。先住民組織が掲げてきたオルタナティブな開発が、世界的な開発目標の共有という流れとぶつかる時、どのように折り合いをつけるのかは引き続き注目していく。また、同じラテンアメリカの先住民であっても、SDGsに自らの目標をブレークダウンしていく仕方が異なるのはなぜかという問いにも注目していく。
また、本研究で集められた情報をもとにした研究発表を行う機会として、書籍の分担執筆1点、一般向けの発表1件があった。同様に、来年度発表予定の書籍の分担執筆2件も進められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、予定されていた現地調査を全く行うことができなかった。これに代わる作業として、日本国内で入手可能な資料の収集と情報の整理を進め、来年度以後の現地調査の準備を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査はヨーロッパとラテンアメリカで行う予定であるが、その実施状況は新型コロナウイルスの感染状況次第である。もし、2020年度に引き続き、2021年度も現地調査が困難である場合は、FILACの未刊行資料ではなく、ラテンアメリカ各国で刊行済の資料について分析を行う予定である。また、先住民運動や各国の開発計画にまつわる関係者とのインタビューや、一般向けに開かれた討論の場をオンラインで設けることも考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していた海外での現地調査を全く行うことができなくなり、それに伴い、既に手元にある、あるいは無料で入手できる機材や資料を用いて研究を行ったことによる。当該年度に実施できなかった作業は次年度に実施する予定である。
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