研究課題/領域番号 |
20K12349
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研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
三上 ゆみ 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (20531354)
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研究分担者 |
岡 京子 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (10300394)
松本 百合美 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (80390251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 介護福祉士 / 外国人 / 就労 / 中山間地域 / 文献研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、外国人介護労働者の中山間地域で長期的に定着に向けた課題を明らかにし、現在の外国人介護就労者、介護福祉士留学生、受け入れ企業への継続的な調査分析を行い、長期的な人材確保に必要不可欠なコミュニティ形成に向けた地域就労支援プログラムの作成をすることを目的とした。このため、日本で働く介護福祉士を対象とした調査のため、EPA介護労働者と、介護福祉士養成施設の留学生への現状調査を実施する。具体的には、①EPA介護労働者および過去7年のEPA受け入れ企業に対し、就労調査をおこない今後の意向や施設の支援状況や生活課題を把握し分析を行う。このため、郵送式質問紙調査票を実施した。今後インタビュー調査を実施する予定である。 ②介護福祉士留学生と養成校への卒業後進路調査を行い就労状況の把握を行う。就労先の選択理由の分析を行う。このため全国介護福祉士養成施設386施設の教務担当教員および介護福祉士留学生を対象に、郵送式質問紙調査票を実施を行った。現在質問紙調査の第1回が終わり、論文作成中である。今年度は調査に先駆け、先行研究の動向について、資料をまとめ文献レビューを行い、論文投稿を行った。介護福祉士養成施設の留学生の就労移行調査について分析を行い、以下学会への発表を行った。 学術論文:三上ゆみ,岡京子,松本百合美:日本の外国人介護福祉士研究動向の文献レビュー, 地域ケアリング,24(2),45-51,2022. 学会発表:三上ゆみ,岡京子,松本百合美:中山間地域での長期就労定着に向けた介護福祉士養成施設留学生の就労意向への考察, 第27 回日本介護福祉教育学会,2022.3.26.(Web開催)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において、主に中山間地域で働く外国人介護福祉士を対象にインタビューや、外国人コミュニティの促進のためのプログラムを推進していく予定であった。しかし昨年度からのコロナの影響による移動制限や、行動の制限が続く中で、インタビューや交流事業が展開できない状況である。さらに、対象が福祉施設に勤務する者が多いことから、エッセンシャルワーカー現場の混乱は変わらず継続しているため、質問紙によるの実態把握にとどまっている。今後もコロナ第7波が予想される中で、直接的な交流機会や対面でのインタビュ―などを計画することは困難であると予想される。
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今後の研究の推進方策 |
2020年と比較し2021年度の介護福祉士養成施設の留学生受け入れ数は、コロナ禍でありながらも1700人程度の横ばいの状況であった。養成施設の留学生調査では、希望するそれぞれの地域において求める環境は生活のしやすさであった。家賃の安さ、治安の良さ、住みやすさという面から大都会よりも、都会に近い利便性の高い地方都市に住みたいと考えるものが多かった。労働輸出国である外国と、人材を求める日本との双方のニーズは一致している。外国人が働きやすい賃金体制を確保すると同時に、安い労働力として扱われない努力と、質の担保が求められる。介護福祉士を取得し長期的に働く環境として、介護業界全体のキャリアアップの仕組みや、職場内の昇格の保証といったやりがいといった面に対して課題やニーズを明らかにするため、より、踏み込んだ個別インタビューをWEB等を活用しながら行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年は、コロナの影響により、対面や居住地までの移動が制限されインタビュー調査が進まなかった。学会等もWEB開催が多く研究者の移動機会も少ないため書費等の発生が見られなかった。また対象者間の交流事業も、福祉事業所スタッフに求められるの行動の自粛により行えなかった。2022年度はWEBインタビューやICT環境下での研修会や交流事業を計画していくためにICT端末など整備に力を入れたい。WEBカメラ、スピーカーなど事業所間や、地域をつなぐPC周辺機器が不足しており、これらの環境を整え、外国人同士のコミュニティの場になる仕組みを作りたい。そのため2021年度予算を次年度に充填を行い、研究を進めていきたい。
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