我が国は高齢化によって人材不足が深刻化し、介護人材の確保が課題である。これを解消する方法として外国人労働者を介護人材とする門戸を国は広げた。外国人介護労働者の中山間地域で長期的に定着に向けた課題を明らかにし、現在の外国人介護就労者、介護福祉士留学生、受け入れ企業への継続的な調査分析を行い、長期的な人材確保に必要な捜索を検討するための調査を行った。 はじめに我が国の文献レビューを通じ、我が国における外国人介護福祉士の養成や就労支援への課題とその背景要因を整理し考察した。38編を対象に分析を行った。結果、「受け入れ」、「就労」、「学習支援」、「言語能力」の内容別に分類され、各分野の特徴や考察を中心に概観した。受け入れ側に、各都道府県の地域ごと、事業所ごとの環境調整や支援をさらに強化し、より長期的な就労継続への働きかけが必要なことが示唆された。 経済連携協定(EPA)による介護福祉士候補者への介護事業所における長期就労定着支援についての調査では、都市部と中山間地域の経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者の受け入れ状況や施設側の支援内容や取り組み、課題を明らかにし、継続的な就労定着支援への示唆を得ることを目的に調査を実施した。過去に退職した外国人介護労働者の有無は、「いる」(91%)であった。主な退職理由として、「自分や家族の都合で帰国した」、「他の介護事業所へ移動した」、「結婚」、「介護以外の仕事についた」であった。介護福祉士候補者は、他の事業所への移動や介護からの離職も高く、外国人介護職労働者が期待することと、施設側が期待することなど「認識のズレ」 によるモチベーション低下を防ぐことが長期的な定着支援につながるといえる。
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