研究課題/領域番号 |
20K12352
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡辺 靖 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (70317311)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 白人 / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
昨年度同様、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続いたため、当初の研究目標・手法の大幅な変更を余儀なくされた。それゆえ昨年度の研究の継続として、別の研究資金を用いた形ではあるが、占領期の日本における白人(白人アメリカ人)をめぐる認識や受容の歴史に関する文献調査を行った。エドウィン・ダン記念館(札幌市、4月)、福岡県立図書館(福岡市、6月)、国立民族学博物館(吹田市、6月)、札幌市中央図書館(札幌市、8月)、京都府立図書館ならびに京都大学附属図書館(京都市、5月、12月、2月)、沖縄県立図書館(那覇市、3月)などを訪れ、当時の一次資料を調査し、対米認識に関する基礎データを収集することができた。人種と権力の非対称的な関係性を新植民地主義的 な文脈で捉える理論的潮流に異議を唱えるうえで有益な資料であり、構造決定論と主体行為論の弁証法的理論展開を再考するうえ重要な資料となることが期待できる。白人ナショナリズムをめぐる動向はメディアの関心も高いが、センセーショナルな側面が強調されがちである。しかし、白人優位の考えとその裏返しとしての他者蔑視の眼差しを理解するうえでは、歴史的理解が不可欠である。コロナ禍そのものは研究にとって大きな障壁となったが、それまで軽視していた歴史的側面の理解が深まったという点では貴重な機会となった。もちろん、米国や他国における白人ナショナリズムの近況に関するデータはインターネットなどを中心に収集したので、2022年度に海外渡航が緩和された段階で実地調査に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により海外調査が事実上不可能な状況になったため。但し、それに代わる日本国内での一次資料の収集やインターネット上における最新動向のデータ収集は行なった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による海外渡航が緩和された段階で実地調査に着手したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により当初予定していた海外調査が事実上不可能になった。2022年度は(コロナの感染状況に細心の注意を払いつつ)ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカへの調査を遂行し、当初の目標達成のために尽力したい。
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