研究課題/領域番号 |
20K12363
|
研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
知花 いづみ 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター法・制度研究グループ, 研究員 (70466069)
|
研究分担者 |
池上 寛 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター 経済統合研究グループ, 研究グループ長代理 (60450508)
今泉 慎也 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター グローバル研究グループ, 研究グループ長 (80450485)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 船員 / アジア / 労働市場 / フィリピン / 台湾 |
研究実績の概要 |
本研究は、フィリピンと台湾を主たる対象に、移住労働者としての船員に関する制度および船員労働市場のグローバルガバナンスを研究するための基盤を整備することを目的とする。初年度の2020年度は、文献・資料調査、定例研究会の実施、調査研究報告書の作成等を行った。とくに、今年度はコロナ禍の影響で現地調査を実施できなかったため、文献・資料調査を中心に進めた。調査に関する作業は各委員がそれぞれ担当し、定例研究会で情報を共有し、意見交換を行った。定例研究会は、いずれもアジア経済研究所で開催した。これらの作業を通して、非国家アクターによって推進されてきた国際協力のための諸制度の形成過程の展開に関する分析材料を集めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、購入した資料やオンライン・データベースを活用し、文献調査についてはおおむね予定通りに進めることができた。具体的には、当初より分析対象としていたフィリピンおよび台湾における海運業における外国人労働者に関する諸制度について整理した。しかし、コロナ禍の影響で、現地調査はいずれも実施できなかったため、船員の労働市場の実態の分析に必要な十分なインタビュー調査や、一次資料の収集は困難であった。これは2021年度以降の課題である。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度以降も、当初の研究計画に基づき、国際運輸労働者連盟(ITF)と国際海運連盟(IFS)による国をまたいだ労使交渉を背景に、当初から分析対象として掲げている船員供給国・海運国の労働組合、海運会社・マンニング会社などによる協力スキームに関する分析枠組みの構築と事例分析を進める。また、日本と現地の感染状況を勘案しつつ、2021年度中に可能な場合は現地調査を実施する。ただし、フィールドワークが引き続き困難な場合が想定されるため、オンラインによるインタビュー調査の可能性についてもあわせて検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、主として、新型コロナ・ウィルス蔓延の影響により、現地調査を延期したことによる。2021年度は、日本や現地の感染およびワクチン接種状況が改善され次第、随時現地調査を実施する。また、2021年度は、前年度に見送った電子機器の購入を検討しており、追加の資料購入に加えて、現地法人が提供するオンライン・データベースも引き続き活用していく。
|