• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

アジアにおけるデジタル化の国際比較―利活用水準、政策体系、電子認証制度に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 20K12367
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 亜聖  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60636885)

研究分担者 金 成垣  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20451875)
大泉 啓一郎  亜細亜大学, 付置研究所, 教授 (70843689)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードアジア / デジタル化 / 社会保障 / デジタル貿易 / 中小企業
研究実績の概要

本研究では2010年代以降に本格化したデジタル端末の普及が経済社会に与える影響に着目し、アジア諸国の事例に着目した。研究計画の初年度はパンデミックの発生という未曽有の状況下で、各国がデジタル技術を感染症対策に用いるという特殊な状況を観察した。ソーシャルディスタンシングのためにモバイルアプリが、現金給付のために個人番号が利用される状況を整理した。二年目には、コロナ危機も踏まえて、改めてアジア諸国におけるデジタル化を、発展戦略、労働市場への影響、行政サービスの普及の各面でサーベイした。続いて計画後半では各論としてデジタル貿易、社会保障におけるデジタル化の進展を取り上げ、それぞれ論考として発表した。
最終年度にはアジア諸国のデジタル化が日本経済に与える示唆として、日本中小企業の国際化に着目した研究を実施した。アジア DX 市場が広がる中で、日本企業の国際市場開拓に着目し、とくにJETROが実施したプロジェクトに採択された企業の事例研究を行った。その結果、アジアのDX市場の開拓に際しては、事前の企業内での国際化の経験や人材面での「内なる国際化」の意義が示唆され、またDX能力の獲得の面では異業種連携を始めとする企業間のつながりの意義が示唆された。同時に、この間のコロナ危機やミャンマーにおける政変といった各種のリスクも顕在化していた。アジア諸国におけるデジタル化は各論において急速に進展しているが、依然として社会のニーズに対応した行政サービスやビジネスの展開の面では遅れも見られ、この面でアジア域内におけるノウハウの循環と還流が、アジア域内としてのデジタル化の促進をさらにもたらす余地が大きいことが示唆された。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 韓国の深刻な少子化をいかに捉えるか2024

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 雑誌名

      『週刊社会保障』

      巻: No. 3258 ページ: 42-47

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] なぜ韓国ではベーシックインカム論争が盛り上がるのか2024

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 雑誌名

      三浦まり・金美珍編『韓国社会運動のダイナミズム』

      巻: - ページ: -

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国福祉国家とアジア(上)2024

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 雑誌名

      『アジア時報』

      巻: 55(1-2) ページ: 29-46

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国福祉国家とアジア(下)2024

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 雑誌名

      『アジア時報』

      巻: 55(3) ページ: 33-44

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] デジタル化2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤亜聖
    • 雑誌名

      高木佑輔・伊藤亜聖著『新興アジアの政治と経済』

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 人口動態からASEAN経済を長期展望する 人口ボーナス・経済統合・デジタル化2024

    • 著者名/発表者名
      大泉啓一郎
    • 雑誌名

      林田秀樹編『ASEANの連結と亀裂』

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 中小企業によるアジア DX 市場の開拓~国際化とデジタル化の壁をいかに越えるか~2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤亜聖
    • 雑誌名

      『日本中小企業学会論集42』

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] アジアのデジタル貿易の進展2023

    • 著者名/発表者名
      大泉啓一郎
    • 雑誌名

      石川幸一・馬田啓一・清水一史『高まる地政学リスクとアジアの通商秩序』

      巻: - ページ: 237-249

  • [雑誌論文] コロナ禍でみえてきた韓国社会の脆弱性と新たな可能性――雇用と社会保障を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 雑誌名

      『現代韓国朝鮮研究』

      巻: - ページ: 1-13

  • [学会発表] 中小企業によるアジア DX 市場の開拓~国際化とデジタル化の壁をいかに越えるか2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤亜聖
    • 学会等名
      日本中小企業学会 第43 回全国大会・統一論題
    • 招待講演
  • [学会発表] 韓国福祉国家はどこへ向かっていくのか2023

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 学会等名
      社会政策学会第146回(2023年春季)大会
  • [学会発表] Digital China Effect: The Belt and Road Initiative and cyber protectionism in emerging countries2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤亜聖
    • 学会等名
      Patterson School seminar, University of Kentucky
  • [学会発表] 韓国の社会保障制度改革にみる『脱キャッチアップ的挑戦』2023

    • 著者名/発表者名
      金成垣
    • 学会等名
      アジア政経学会2023年度秋季大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi