研究課題/領域番号 |
20K12378
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
村尾 るみこ 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (10467425)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 社会福祉 / 元難民・難民 / ザンビア / 生計活動 / 相互扶助 |
研究実績の概要 |
ザンビアにおいては、フォーマルな社会福祉制度が整う中で、終了条項が適用されたアンゴラ元難民らが日常的にインフォーマルな社会福祉の実現を試みている。本研究は、今日までのザンビアの都市部および農村部で生活する元難民らを対象として1)居住環境、2)主たる生計活動、3)ホストや元難民、難民間での社会関係の多様性を明らかにした上で、居住域ごとの社会福祉の実態を総合的に考察することを目的としている。1年目の2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、現地調査から文献調査およびオンラインでの情報収集に切り替えた。農村、地方都市、大都市(首都ルサカ)、メヘバおよびマユクワユクワ難民定住地とそれに隣接する再定住地の居住環境や、生計活動、ザンビア国民と元難民との関係、難民間の関係などを、公的統計や各種行政文書、開発・人道支援団体による報告書やHPなどを活用して現状整理・分析をすすめた。現在、新型コロナウィルス感染拡大に伴う公的サービスの変化や、ロックダウンに伴う生計活動の変化、それに伴う彼らの居住域を超えた対面での互助の領域変化について整序をすすめている。農村部や難民定住地では、非農業就労者や行政関係者、開発・人道支援の関係者らの活動が減少したため、平時では近隣のマーケットでおこなわれていた農産物の販売活動が人口の多い農村か遠隔の都市、都市近郊などに分散するなどの傾向があることが明らかとなりつつある。それに伴い、携帯などを用いた情報交換や農村部での労働交換も増えている状況がわかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染拡大によって、現地調査を文献調査とオンラインでの情報収集に切り替え、おおむね順調に情報を取得している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の2021年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響にともない、引き続き現地調査から文献調査およびオンラインでの情報収集に切り替える。前年度までに明らかにした、農村、地方都市、大都市(首都ルサカ)、メヘバおよびマユクワユクワ難民定住地とそれに隣接する再定住地の居住環境や、生計活動、ザンビア国民と元難民との関係、難民間の関係などを、公的統計や各種行政文書、開発・人道支援団体による報告書やHPなどを活用して現状整理・分析をすすめ、新型コロナウィルス感染拡大に伴う公的サービスの変化に関する報告をまとめる。また、ロックダウンに伴う生計活動の変化、それに伴う彼らの居住域を超えた対面での互助の領域変化について整序をすすめた結果から、農村部や難民定住地では、非農業就労者や行政関係者、開発・人道支援の関係者らの活動の増減や活動内容の変化、農産物の販売活動と販売場所に関する情報を収集する。特に、対面での互助的な活動変化や携帯などを用いたその補完的営為に着目していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初計画していた現地調査が不可能となったため、文献調査およびオンラインでの情報収集によって研究をすすめたため。使用計画として、オンラインでの情報収集やその整理・成果公開にかかる委託、物品購入、校閲などに使用する予定である。
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