研究課題
本年度は、主に昨年度までに実施した調査の結果について解析を行い、コロナ禍において里山・里海の生態系にアクセスすることに関する格差としての環境格差が拡大している状況を考慮して、生態系へのアクセスに困難さを抱える層の特定や、異なる社会経済条件、居住環境におかれている人々の緑地等の管理意識の傾向を解明した。また、成果の一部については調査対象地等の行政関係者等と共有し、フィードバックを得ることができた。まず生態系へのアクセスに困難さを抱える層については、都心よりもやや郊外に居住する世帯所得がやや低く、未婚の層が他の層と比較して困難さを抱える傾向が把握された。この傾向自体は継続的に調査分析を行うことで、より詳細に解析を行っていく必要があるが、環境格差の負の影響を受けている可能性がある層を特定する手法を確立することができた。また、行政関係者からのフィードバックでは、本研究のアプローチの住民ニーズを把握する際の有用性や、企業関係者と連携する際のエビデンスを蓄積、共有する必要性について指摘があり、提案する手法の妥当性が一定程度確認されるとともに、今後の展開として里山・里海のステークホルダーと連携する方向性について知見を得ることができた。本年度は補足的な調査も実施することで、手法の検証や里山・里海以外の環境も含めた環境へのアクセスに関する格差を研究する新たな展開について手掛かりを見出すことができた。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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