研究課題/領域番号 |
20K12399
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
佐野 楓 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (60707298)
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研究分担者 |
永田 修一 関西学院大学, 商学部, 准教授 (50546893)
佐野 宏樹 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スマートツーリズム・デスティネーション / ビッグデータ / 観光客 / モビリティ / 価値共創 |
研究実績の概要 |
前年度から研究進捗が遅れているため、今年度も継続で2年目(ステップⅡ)の研究内容に取り組んできた。ステップⅡの研究目的は、計量経済学とオペレーションズ・マネジメントの視点から,来阪外国人観光客の行動パターンを明らかにして,観光エリアと事業者間の協業に関する最適モデルを構築することであった。
2022年度の研究実績について、まず、"Spatial distribution of accommodation supply in Osaka city: A policy perspective"の研究論文では、大阪市が長年直面している、特定の地域に観光客が集中し、ステークホルダーに社会経済的利益が不公平に分配されている問題点に対して、探索的空間データ分析とMoran's Iの統計分析を用いて、宿泊施設の空間分布に見られる経済的波及効果を検証した。また、"The metaverse in the tourism industry: A new horizon after the COVID-19 pandemic"の研究論文では、新型コロナウイルス感染拡大の影響による、移動制限や社会的距離の取り方の変化を背景とし、メタバースという新たな観光形態を提案した。
上記の2本の研究論文以外に、International Conference on Sustainable Tourism and Hospitalityの国際学会で"Tracking international tourist's mobility in Osaka city"をテーマにした招待講演、及びサービス学会・第11回国内大会で「ツーリスト・モビリティの解析」の研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光客の空間的・時間的行動パターンの追跡を予定通り行うことができなかった。その一方で、当初予定していなかった空間的統計分析によって、エリア間の観光に関する経済的波及効果の差異が、デスティネーション・エコシステム構築に非常に重要な示唆を与えることが分かった。研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が得られており、その知見を使用し十分な研究成果を得るために、本研究課題の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの定性的・定量的分析の結果に基づき、観光客、事業者、観光地による価値共創を実現できる持続可能なSmart Tourism Destination(STD) の構築のために、Destination Marketing Organization(DMO)が果たすべき役割を明確にする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が得られたことから、その知見を使用し十分な研究成果を得るために、本研究課題の進捗状況は遅れている。次年度の使用計画について、新型コロナウイルスの5類移行に伴って移動制限が解除されるため、国際学会の現地参加で旅費に使用する予定である。また、観光客の移動パターンに関する新たな知見を活用するため、関連ソフトウェアなどの購入に充て、分析を進める予定である。
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