研究課題/領域番号 |
20K12417
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
有田 理佳 (山本理佳) 立命館大学, 文学部, 教授 (70708073)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ガイドツアー / 企業城下町 / 文化遺産研究 / ヘリテージ / 近代産業遺産 / 旧産炭地域 |
研究実績の概要 |
2023年度は、福岡県大牟田市、熊本県荒尾市、そして北海道赤平市において、ガイドツアーの同行調査とガイド者へのインタビュー調査、また一部ガイドツアー参加者(観光客)へのヒアリング調査を実施した。3地域において大変協力的な対応をいただき、ガイド者約40数名のインタビュー、および30件程度の同行調査データを集めることができた。ただし2023年度は調査実施を優先して行ったため、これら貴重な現場データの分析は2024年度に行う予定であり、その成果は学会報告と論文執筆において発表する。いずれも本研究が意図したガイドツアーの極めて多様な現状を明示しうるものであり、より充実した分析と研究発展を可能にするものであるとみる。 また、昨年度の文化遺産理論に関する翻訳出版に引き続き、文化遺産理論に関する研究会も継続し、自身の研究における文化遺産理論の進展をはかるとともに、日本における文化遺産研究そのものの議論の発展・深化をすすめていくべく、学会でのシンポジウム開催も企画した。2024年度の観光学術学会で実施する予定にしている。 本研究に関わる成果による2023年度内の実績として、3点の書籍内論考を執筆した。とくに2024年3月刊行の『日本の都市地理学研究』(阿部和俊編著、古今書院)における「企業城下町」をテーマとする論考を寄稿した。これまで文化地理学的枠組みの中での産業遺産研究を進めてきたが、都市地理学・経済地理学的な領域で進められてきた「企業城下町」研究をレビューしつつ、そこに影響しつつもある文化的諸側面を位置づけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は調査地域の協力もあり、おおよそ目的としたガイドツアーの多様な様相を調査することができた。データの内容としては、意図した分析を行うに十分な調査を行うことができている。ただし、コロナ禍で難航した調査地との協力交渉の影響により、いずれもが旧産炭地域という産業種の偏りといった課題も残った。そのため、海外もしくは国内の他地域事例との比較にもとづく分析も意図して、2024年度までの継続を申請した。理論的枠組みの進展とそれにもとづく分析枠組みの深化もはかりつつ、2024年度の継続調査・研究を行う。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、①調査の分析とその成果発表、②比較研究のための追加調査を予定している。 ①について、既に2024年5月の歴史地理学会でのシンポジウム発表にエントリーしており、また2024年7月の観光学術学会のシンポジウムのコーディネーターとして登壇予定である。その他、歴史地理学会学術誌および大学紀要などへの論文投稿を予定している。 ②については、文献による調査、海外視察、あるいは国内他地域(軽工業都市、重工業都市、金属鉱山都市など)でのヒアリング・同行調査のいずれかで実施を予定し、本研究の地域・産業種の偏りを補いつつ、研究成果をまとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、高齢者が大半を占めるツアーガイドを対象とする本研究において、2022年度まで実質的調査が厳しかったところ、2023年度に8割方終了させた。調査協力を得られた地域が限定されたこともあり、2024年度に残りの予算で国内の追加・補足調査あるいは海外視察の補助的資金として使用する予定である。また、実証分析における作業補助業務および理論的枠組研究にも使用し、最終年度の成果としていく。
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