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2021 年度 実施状況報告書

インバウンド観光に対する住民の態度:多様な他民族に対する考えの観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20K12427
研究機関高崎経済大学

研究代表者

丸山 奈穂  高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (60612603)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード他民族への態度 / 移民 / インバウンド観光 / 危機後の観光
研究実績の概要

本研究では、多国籍の外国人住民が在住する地域に焦点をあて、日本人住民の多様な民族に対する「考え」と、その考えがインバウンド観光に対する「態度」に与える影響を明らかにし、日本人住民のインバウンド観光に対する態度の形成過程を探ることを目的とした。
ただ、研究申請後に起こったコロナウイルス感染症拡大により、インバウンド観光が大幅に減少となったことに加えて、感染症拡大傾向により人種差別感情の顕在化も見られたため、昨年度に引き続き、本年度は改めて文献調査を実施した。また、昨年度に行った文献調査をもとに観光と危機管理、危機における民族の分断、モラル意識と観光行動に関するアンケート調査をオンラインで実施した。先行研究では、一般的に喫煙や菜食主義など議論の対象となる行動に反対(もしくは賛成)する理由が「モラル」に基づくときは人々の分断が起きやすく、反対に「健康管理」に基づくときでは分断が起きないとされている。しかし、今回のアンケートを通して、パンデミック下の旅行においては、この両方の要因が分断を生み出すことが分かった。これは喫煙や菜食主義は個人の健康問題としてとらえられているのに対して、感染症は個人の問題で済まないことが理由として考えられる。
加えて、アンケートでは、コロナ禍における移民(技能実習生をむ)への態度を出身地別に聞くとともに、コロナ後のそれらの地域からのインバウンド観光への是非に関する質問も用意した。これらに関しては、はっきりとした差が出なかった。この理由として、これまでは言語や肌の色等で相手の文化を認識していたものが、「出身国のコロナ対策ができているか否か」で相手への態度を形成していることが考えられる。この点について、来年度は研究を進めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナウイルス感染症のパンデックが終息せず、インバウンド観光はストップしており、予定していたアンケート内容の変更に時間を要している。「インバウンド観光が再開するとしたら」という仮定でのアンケートに変更したことで結果が出にくく、再度のアンケート内容の検討が必要になったため、遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

今年度実施したアンケート結果をもとに、再度アンケートを実施する予定である。コロナ禍前は、インバウンド観光客を出身を言語や民族に基づいてグループ分けをし、日本人住民のそれぞれへの態度を調べる予定でいたが、コロナ禍においては、それぞれの出身国の「コロナ対策」「感染拡大状況」なども考慮してグループ分けをする予定である。

次年度使用額が生じた理由

アンケートの分析に時間がかかり、2回目のアンケート調査ができなかったため次年度使用額が生じた。来年度はさらに人数と場所を増やしアンケートを実施したい。外国人観光客受け入れ態勢の変化を見ながら、どの程度「仮定」の状況のもとでアンケートをするのか等考慮して内容を決める予定である。またオンライン調査であれば確実に件数がとれるため積極的に使っていくつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Moralization and tourism2021

    • 著者名/発表者名
      Naho U. Maruyama, Kyle Woosnam
    • 学会等名
      APTA Annual Conferene
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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