本研究では、Massive data(ビッグデータ)の収集と分析の手法および空間分析、長期にわたる空間分析、観光がもたらす地域への影響をキーワードに、行ってきた。情報化が進んでいる中、観光研究においてもインターネットを介したデータの収集・分析が必要であり、研究の蓄積が求められている。また、観光による地域への効果は短期間の効果や経済効果に傾斜しているといえる。このような傾向がある中、本研究の遂行を通して、つぎのような実績を積み上げることができた。 1点目:Massive dataの収集のための技法(アルゴリズム)の作成と開示を行い、多少の知識でデータの収集ができるように貢献できた。2点目:空間分析に必要なGISの指南書を執筆・開示することができた。3点目:研究の事例を学会で公開することができた。長期にわたる観光振興(イベントの継続的な開催を例に)は開催地域および周辺の地域に大きく影響していることが明らかになった。本研究では空間的効果、観光者による回遊空間がイベントの開催回数の増加に伴い拡大することが確認でき、持続的な観光振興は従来の経済効果に加え、空間的効果をもたらし、地域社会に様々な効果をもたらすことを実証することができた。4点目:研究に欠かせない研究動向の分析のための、大量の研究論文の収集と分析ができるアルゴリズムを作成・分析を行い、査読付論文として投稿できた。5点目:4点目で使用し有効性が実証されたコード全文を開示することができた。 以上のように、本研究を通して、研究課題の解明に加え、情報の収集に関わる手法の開示もできたことから、当初の目的は十分達成できたことと考えている。
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