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2020 年度 実施状況報告書

ホスト国における移民の社会的統合―「ウィンドラッシュの娘たち」の経験から

研究課題

研究課題/領域番号 20K12457
研究機関愛知教育大学

研究代表者

堀内 真由美  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードフェミニズム / ブラック・フェミニズム / 西インド諸島労働移民 / ウィンドラッシュ世代 / ウィンドラッシュの娘たち / 避妊薬禁止運動 / デポ・プロベラ
研究実績の概要

今年度は、コロナ禍中における海外渡航及び、対面による学会活動が不可能となったため、主に、資料の精査と新たに入手した情報、また、メールなどを通して得られた研究対象地域からの情報や助言を駆使して、これまでの研究経過を見直し、今後の計画を立てることに集中した。
本研究の中心となる、英国への西インド移民2世にあたる「ウィンドラッシュの娘たち」による1970年代の反人種差別、反女性差別運動のうち、「第3世界への経済援助」の大義の下で繰り返された女性の身体への抑圧を、論文の形で発表することができた。具体的には、イギリス、アメリカを中心とした「西側先進国」による「人口抑制策」と、そこで展開された「避妊薬の使用」に反対する、イギリス「ブラック・フェミニスト」たちの活動とその土台となった思想を明らかにすることができた。
また、昨年度末にジャマイカでインタヴューすることができた「ウィンドラッシュの娘たち」の1人から、彼女自身の最新の「回顧的文書」を入手することができた。調査対象者の1人と、このように継続的な協力関係が維持できるようになったことも、大きな研究成果の1つと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍で、本研究の主たる調査先であるイギリスとジャマイカほか西インド諸島への出張がまったくできなかった一方で、これまで収集した資料の精査や、メールほかインターネットを介して、調査先の協力者から、最新の情報や助言を得られたことは幸いだった。そのこともあって、困難な状況下でも、本研究の柱である「ブラック・フェミニズム」の思想と運動のうち、主要な1件について考察を深め、論文の形にできた。このことから、本研究課題の進捗状況は「おおむね順調である」とする。

今後の研究の推進方策

研究の2年目にあたる本年度は、できればイギリスおよび旧英領西インド諸島への資料調査を実行したい。もし今年度中に、資料調査が可能になれば、本研究の主体である「ウィンドラッシュの娘たち」、すなわち西インド諸島からの労働移民2世にあたる女性たちへのインタヴューも含めた、より広範囲な資料調査を行いたい。
今年中には海外渡航がまだ不可能な場合には、引き続き、インターネットを介して、調査先の協力者および図書館、資料館との連絡を密にして、資料や情報の収集にあたるつもりである。そのことをもって、これまで明らかにしてきた「ウィンドラッシュの娘たち」の思想と運動の全体像に少しでも近づこうと予定している。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で、年度内2回実施を予定していた海外への資料調査が実施できなかったため。また、国内での移動も、リモートによる研究報告会に変更されたこともあり、本研究1年目に予定していた移動にともなう旅費の出費がゼロとなったため。
未使用額については、海外渡航がまだ実現困難な状況が続くと予想されるため、主に、西インド大学から刊行されている、旧英領カリブ海地域の歴史・文化をまとめたシリーズ書籍の購入に充てることを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] イギリス移民女性運動「史」―1970年代「ブラック女性」の避妊薬禁止運動2021

    • 著者名/発表者名
      堀内 真由美
    • 雑誌名

      『愛知教育大学研究報告』(人文・社会科学編)

      巻: 第70輯 ページ: 1-9

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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