研究課題/領域番号 |
20K12459
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
茶園 敏美 京都大学, 人文科学研究所, 人文学連携研究者 (60738748)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ジェンダー / 米軍外国人妻 / 占領期 / 性病対策 / 占領兵 / 占領政策 / 比較分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、米軍人と占領地女性の関係を婚姻の観点から考察する。具体的には、占領期の米軍人と現地女性との婚姻がどのような条件で許可されたのかを各地の比較分析で明らかにすることで、占領政策としての婚姻の全体像を解明する。研究計画としては、A政策レベル、B当事者レベル、Cメディアレベルの3方向から立体的にあきらかにする。さらにオーストラリアに米外国人妻(日本人)が移住されていることが最近わかったので、聞き取りの予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響により、海外調査はできなかったが、国内の学会報告(2020年10月と12月)、国内シンポジウムでの報告(2020年10月)や毎日新聞の取材(2020年8月)に応じることができた。新聞の取材を受けた成果として、新たな生き証人の方が現れた。この方の証言により、さらに研究内容も深まったため、次年度以降の学会で報告する予定である。また、米国立国会図書館やハワイ大学で入手した資料が未整理だったため、資料整理も進んだ。この成果も次年度以降の学会で報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
【2021年度研究計画 A政策レベル】 GHQの資料および米国政府関係資料等で米軍の占領地域であるアジアやヨーロッパの占領地女性と米兵おの婚姻に関する軍の条件を比較考察する。さらに米軍のヨーロッパ占領時の占領地女性の状況を考察する。調査対象はオーストリアとドイツである。ヨーロッパ占領時の状況は、主にボルツマン研究所(ザルツブルグ)にて行う予定。 【2021年度研究計画 B当事者レベル(米軍人外国人妻の語り)】 ハワイ大学所蔵の1950年前後の米軍外国人妻調査資料を徹底した帰納法分析で再分析を行い考察する。資料は既に入手済。ハワイ日本文化センターでも聞き取り予定。 【2021年度研究計画 Cメディアレベル】 ハワイで広範囲に親しまれている新聞・雑誌における1940年代~1950年代の米軍外国人妻の報道のされかた、読者の声欄にも注目し、当時の人々の反応を比較検証する。対象新聞は、『ホノルル・アドバタイザー』、『ハワイ報知』。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の調査費用および学会報告のために必要である。
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