本研究の独自性と創造性は、大きく3点ある。まず占領期にハワイに渡ったアジア、ヨーロッパ出身の米軍外国人妻を比較分析することで、占領政策としての婚姻の地域ごとの特色が明らかになる。次に、米軍の占領地域を日本に限定するのではなく、アジア、ヨーロッパといった広範囲の地域に注目することで、占領政策を婚姻という観点から体系化できる。最後に、調査対象の304名の米軍外国人妻のインタビュー調査を精査することで、占領政策に回収されない部分が明らかになる点である。以上3点に注目することで米軍の占領政策による女性たちへの「分断支配」を覆す可能性に繋がる。この可能性は、占領地女性同士が手を取りあう可能性である。
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