仮説の検証から(1)「経済的理由」による男児選好は下層において強いが、「家系的理由」「儀礼的理由」による男児選好は上層において強く、階層が上がるほど弱まるわけではない、(2)「男児選好度」は世帯所得があがるほど弱まるが、「家系的理由」による男児選好や「性別判定」は世帯所得があがるほど高い、(3)「業績主義」「競争主義」「自己決定感」は、いずれも「男児選好度」を低減させるが、「競争主義」は、「家系的理由」による男児選好に正の影響をもっている、(4)世帯所得が高い人ほど、結婚や出産を必須とする家族規範を支持する(豊かさが家族への依存を弱める「個人化」を促進するわけではない)という結果を導いた。
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