研究課題/領域番号 |
20K12476
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
池川 玲子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (50751012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ジェンダー / 大衆文化 / 国民統合 / 司法 / 治安維持 / 警察 / 表象 / 母性 |
研究実績の概要 |
当初の研究計画では、以下の三点の問いを柱とした。①日本における女性警察官の起源とは?②女性警察官は、どのように発展してきたのか?③女性警察官は、どのようなイメージをまとってきたのか? ①についてはほぼ調査を終えた。その結果、戦後の女性警察官職の創設に先立って、警察活動への女性活用を提案試行した複数の組織が存在したことと、それぞれの目的について明確化した。具体的には以下である。キリスト教系団体(30年代。兵士の性病対策)、財閥系福祉団体(30年代。女性家出人保護)、日本軍(40年代。占領地支配地における治安維持)。 ②については、新聞記事の悉皆調査を1940年代後半~70年代初頭に限定して実施した。加えて各地における女性警察官第1号を対象とした聞き書き記録の収集を行った。その結果、行政による戦災孤児保護に限界を感じ自ら保護施設を創設、さらには県議会議員として児童行政を推進した茨城のケースなど、ユニークな第1号たちの実像を発掘することができた。 ③については、二方向から検討した。まず前年度に引き続き、大衆メディアにおける女性警察官イメージについて作品発掘と分析を続けた。特に、1970年の大ヒットテレビドラマ『ありがとう』における、ベテラン、中堅、新人女性警察官たちそれぞれのイメージに焦点を当てた。さらに警察広報における女性の役割について、パンフレット、PR映像、イベント活動などを中心に具体例を収集し、個別に考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19パンデミックの影響により、当初予定していた当事者へのインタビューが実施不可能となった。 さらに出張をともなう調査もやや実施困難となり、地域の資料館が所蔵する文献へのアクセスが遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
以下の2点に絞って、研究を推進する。 まず調査対象期間を、1930~70年代から80年代~現在へと移行させ、世界的な女性差別撤廃の動きが、日本の女性警察官職に与えた影響について、実態とイメージの双方から検討する。 さらに最終年度であるため、これまでの研究成果を発信していく。すでに国際学会での報告が決定している(バークシャー国際女性会議。サンタ・クララ大学)。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度時点で、2023年度の国際学会への参加が決定したため、旅費をはじめとした必要経費が生じた。6月から7月にかけて、北米(サンタ・クララ大学)に渡航し研究報告を実施することを計画している。また、これまでに収集した資料のデジタル化に向けた人件費支出を計画している。
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