研究課題
本研究では、レーザー逆コンプトン散乱施設において得られる、単一エネルギー偏光光子を用いて、光子と標的核との核反応による二次粒子の生成機構について実験的研究を行う。この実験で得られるデータは、医学・理学・工学で用いられている数10 MeVの電子加速器に対する遮蔽設計において必要である。本研究では、光子の偏光の影響を受ける成分と受けない成分を分離して、エネルギーと角度分布を広範に測定し、系統的データを得る。光子の核反応モデルの改良を行い、電子加速器施設に対する遮蔽設計の高度化をはかる。研究計画では(1)実験データの取得、(2)核反応モデルの開発 、(3)偏光による影響の評価、について行うこととしている。今年度はNewSUBARU加速器においてビームエネルギーを変えたビーム実験を実施した。実験では、13MeV光子入射に対する重核ターゲッ トのデータを新規に取得した。また、コンクリート透過による線量の減衰計算におけるエネルギー分布の違いの影響について遮蔽国際会議 の発表を行い、プロシーディングに投稿した。入射エネルギー依存性、角度分布の考察についてとりまとめ科学と技術のための核データ国際会議の発表を実施しプロシーディングを投稿した。実験データとの比較により生成中性子量が少なく、遮蔽透過後線量を過小評価することが明らかになった核反応モデルに変えて、核データファイルが整備され、利用可能になった。これを踏まえ、理論計算、核データとの比較を行い、その改善を明らかにするとともに、偏光依存性分が未だ十分に記述されていないことを明らかにした。この成果について核データ研究会で発表を行い、プロシーディングを投稿した。日本原子力学会で2回の発表を行った。これまで得られた成果を投稿論文としてとりまとめている。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 オープンアクセス 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
Proceedings of Symposium on Nuclear Data 2022, 17th - 18th November, KINDAI University, Osaka, Japan (Accepted)
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EPJ Web of Conferences , Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (Sacramento, CA, United States of America, July 24 - 29, 2022) (Accepted)
Proceedings of Symposium on Nuclear Data 2020, 26th - 27th November, RIKEN Nishina Center, RIKEN Wako Campus, Wako, Saitama, Japan
巻: JAEA-Conf 2021-001 ページ: 189-194
Proceedings of the 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan, October 18 - 21, 2022, Online (Kyushu University)
巻: PASJ2022 WEOA09 ページ: 70-74