従来の高分子材料開発では、研究者の「経験と勘」に基づいた非効率的な試行錯誤的実験に頼ることが多く、新材料が完成するまでには膨大な時間と費用を必要とする。本研究では、高分子材料の改質手法である放射線グラフト重合技術において、従来の経験的な実験科学に機械学習手法を融合させることにより、重合反応に使用するモノマー(薬品)の物性情報のみからグラフト重合反応率を瞬時に予測できるAIモデルの創出に成功した。また、開発したAIモデルを解析したところ、モノマーの「分極率」と、モノマーの置換基近傍にある酸素原子の「NMR化学シフト」が重合反応予測の鍵となる重要因子であることが判明した。
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