研究課題/領域番号 |
20K12491
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
川瀬 啓悟 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 主幹研究員 (60455277)
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研究期間 (年度) |
2022-01-04 – 2025-03-31
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キーワード | 半導体キャリアダイナミクス / 自由電子レーザー / テラヘルツパルス |
研究実績の概要 |
研究期間の中断をはさんで、今年度本研究の実施を再開した。引き続き真性半導体に対してフェムト秒レーザーで励起したキャリアのテラヘルツ領域の自由電子レーザーによるダイナミクス計測研究を実施した。特に試料としてガリウムヒ素に対しては、ピコ秒オーダーとナノ秒オーダーのテラヘルツパルスの反射と透過、吸収の測定実験を進め、シリコンやゲルマニウムに対しては、マイクロ秒オーダーの測定を実施した。 これらの実験結果については、国際会議(FEL2022)にて進捗を発表した。また、ガリウムヒ素の反射特性についての論文を現在海外学術誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テラヘルツ領域の電磁波は空気中の水分により強く吸収され、計測結果に影響を及ぼす。そのため、今年度は実験エリアを乾燥空気で満たすための囲いを構築し、取得データの品質が向上し、その結果を投稿中の論文に反映させた。このシステムを引き続き用い、さらに改善することで、今後の計測実験を効果的に進めることができる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、テラヘルツパルスを用いた実験計測システムを改善することで、さらに詳細な半導体表面における光励起キャリアダイナミクス研究を進める。今後はこれまでに主な研究対象試料であったガリウムヒ素やシリコン、ゲルマニウムに加えて、他の半導体試料の利用も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究消耗品の使用量が想定よりも抑えられたこと、予定していた学術集会の変更、不参加としたことで、次年度使用額が生じた。次年度助成金と合わせて、消耗品の購入や学術集会への参加費用に充てる。
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